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Steamアカウントは死後も他人に引き継げない、フレンドリストに残り続ける友人たち

投稿: 2026/09/15by tobariware5分で読めます
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投稿されたのは、フレンドリストのスクリーンショットが1枚と、「Anyone else?(ほかにもいる?)」という一行だけ。タイトルには「消せないほど恋しくなる相手が、リストに残っている」とあった。r/Steamに立ったこのスレッドには、もう二度とオンラインにならないフレンドの話がいくつも集まっている。

Steamのフレンドリストは、いま遊んでいる人が上に来て、しばらく起動していない人は下へ沈んでいく並び方をしている。動きの無いアカウントは一番下にたまり、最終ログインからの日数だけが伸びていく。持ち主がもういないアカウントも、そこに同じ顔で並んだままになる。

Steamの利用規約は、アカウントについて「厳密に個人のもの」と書いている。売ることも、使う権利を他人に貸すことも、譲ることもできない。購入したゲームのライセンスについても、「Steamの外で行われる譲渡(法の適用によるものを含む)をValveは認めない」と明記されている。遠回しな書き方だけど、遺言や相続でアカウントを受け継ぐ道は用意されていない、ということ。

だからフレンドリストに残った名前は、誰かに引き継がれて別人として動き出すことがない。持ち主が最後に置いた状態のまま止まる。ライブラリも、実績の数も、プロフィールのコメント欄も、そのまま残り続ける。残された側から見れば、それは寂しさの出どころであると同時に、消さなくていい理由にもなっているんだと思う。

一定期間放置すると消える、という規定は見当たらない

スレッドでは「Steamが使われていないアカウントを一掃したらどうなるのか」という不安も出ていた。規約とプライバシーポリシーを読む限り、放置を理由にアカウントを削除するという条項は無い。書かれているのは、収集した目的を果たすのに必要な間はデータを保持する、という一般的な方針だけ。

削除が起きるのは、本人が申請したとき。Valveは削除申請から30日間の猶予を設けていて、この間なら取り消せる。猶予を過ぎるとアカウントに紐づく個人データは削除され、買ったゲームへのアクセスも失われる。しかも申請の窓口はSteamサポートへのログインが前提だから、パスワードを知らない家族が代わりに消すこともできない。残す側にとっては、これも効いている。

死後の扱いに触れた記述は、ポリシー全体で一か所しかない。フランスのデータ保護法が適用される利用者には、死後の個人データの保存・削除・移転について指示を残す権利がある、という一文がそれ。裏を返せば、その他の地域については何も書かれていない。

Redditの反応

集まった書き込みは、結論だけ見ればほとんど一致していた。消さない。違うのは、その理由の書き方のほう。

がんで亡くなったフレンドが何人かいる。絶対に消すことはない。

1年と5日前に友人を亡くした。彼もリストから外すつもりはない。

短い報告が並ぶなかで、いちばん多くの反応が付いたのはこの一言だった。

人は二度死ぬという。一度目は本人が亡くなったとき、二度目はその人のことが最後に語られたとき。どんな去り方だったかは関係ない。その人がどんな人だったかを覚えている限りは。

これに、さきほどの「1年と5日」の人が返している。

一周忌に墓参りへ行ってきた。自分がこの星をうろついている限り、彼が二度目の死を迎えるのは当分先だと思う。

やり取りは「いい友達だね」「そう言ってもらえて嬉しい」という短い応酬で締められていた。一方で、仕組みのほうを心配する声も出ている。

自分のリストにも、会えなくなった人が何人かいる。もしSteamが一定期間使われていないアカウントを一掃すると決めたら、どうなるんだろう。動いていないアカウントが増え続ければ、名前が残り続ける保証もそのうち怪しくなるんじゃないか。

今の規約とポリシーを読む限り、放置を理由に消される決まりは無い。ただしそれは「現行の文面ではそう読める」という話で、将来にわたって約束されているわけでもない。

そこから先は、リストに残っている相手との関係を書き込むものが続いた。

幼なじみを12年前に亡くした。今もリストにいるし、Steamを使い始める前にMMOを一緒に遊んでいた頃の動画を、今でも見返している。

ゲームを教えてくれたのは叔父だった。だからその名前も消さない。

体調を崩しがちな友人が、ある日ぱったり消えた。また入院したのかと思っていたら、いとこの書き込みで亡くなったと知った。いちばんの友達のひとりだった。あのリストからも外さない。

Steam以外のサービスを持ち出す人もいた。

Facebookでも同じだ。友達から外すのは気が引ける。「友達の記録を見る」を押せば、一緒に写った写真が出てくる。

SNSの側には、この状況を想定した仕組みが用意されていることもある。Facebookは亡くなった利用者のアカウントを追悼アカウントに切り替える運用をしていて、名前の前に「追悼」と表示され、あらかじめ指定しておいた管理人がプロフィールの手入れをできる。Steamに同じ役割の機能は無く、アカウントは生きているときとまったく同じ見た目で残る。

全体が重い方向へ傾きかけたところで、別の角度から書き込む人もいた。

19年前に作った自分の最初のアカウントがフレンドに入っている。起きたばかりだから、昔の自分を惜しむ哲学的な話をするには早すぎる。

すかさず「アクセスできるのに、どうして新しいアカウントを作ったの」と突っ込みが入る。BANのたびに作り直して6個のアカウントを持っている友人の話も出ていた——そのゲームはもう一緒に遊ばないけれど、今でもいいやつだ、という一文付きで。

規約が決めているのは、そのアカウントが誰の手にも渡らないというところまで。そこから先を決めているのは、消さないと選んだ側だ。

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