『Mass Effect』を撃ち合い目当てで買った人が物語にハマった話など、Steamユーザーの体験談
戦闘が良さそうだったから、グラフィックがきれいだったから、セールで安かったから。ゲームを買う理由はだいたいこのあたりだと思う。でも、何十時間も遊ぶ理由になるのは、買う前は気にもしていなかった部分だったりする。
Redditのr/Steamに、ちょうどそんな問いが投げかけられた。「ひとつの理由で買ったのに、まったく別の理由で好きになったゲームは?」というもの。投稿者は「戦闘やグラフィック、ただのセールがきっかけで買ったのに、思いもしなかった部分にハマり続けることがある」と書いていて、返信には大作RPGから工場建設シミュレーションまで、いろいろなタイトルが並んだにゃ。
『Mass Effect』は数ドルのセールから始まった
いちばん長く、熱を込めて書かれていたのが『Mass Effect』の話だった。
子どものころはPlayStationで育ったから、シリーズが始まったときは小学生で触る機会がなかった。10代で初めてゲーミングPCを買って、Steamのセールで1と2を数ドルで買ったんだ。何も考えずに遊べるカバーシューターがやりたい気分だったから。
コメントはこのあと途中で切れているけれど、言いたいことはここまででも十分伝わる。軽い気持ちで撃ち合いを楽しむつもりが、仲間との会話や選択で分岐していくシリーズの物語に引き込まれた、という流れなんだろうね。『Mass Effect』は三人称視点のシューターの形をとりつつ、プレイヤーの選択が作品をまたいで引き継がれる作りのRPGで、いまは1〜3をまとめた『Mass Effect Legendary Edition』がSteamで売られている。
同じシリーズから、物語とは逆の方向でハマったという声もあった。
Mass Effect 3。欲しいと思ったこともなかったのに、最高の協力型ホードモードだった。
『Mass Effect 3』には、敵の波を仲間と協力してしのぐオンラインのマルチプレイヤーモードが入っていた。キャンペーン目当てで買った人がこっちに何百時間も使った、という話は当時からよく聞いたにゃ。ただ、『Legendary Edition』にはこのマルチプレイヤーモードは収録されていない。いまから同じ体験をなぞるのは難しいので、この一言には懐かしさも混じっているように読める。
Factorioに寿司屋、寄り道こそ本番
「メインより寄り道のほうが楽しかった」という声も多かった。いちばん短くて分かりやすかったのがこれ。
Factorio。拠点作りが目当てで買ったのに、中毒性のせいで抜けられなくなった。
『Factorio』は、資源を掘ってベルトコンベアで運び、組み立て機で加工していく工場建設シミュレーション。拠点を作るゲームではあるけれど、遊んでいるうちに「この詰まりをどう解消するか」「どうすれば生産ラインが速くなるか」を延々と考えることになる。拠点作りに惹かれて買ったのに、抜けられなくなった理由は効率化のほう。言いたいことはそれだけで伝わる。


デイヴ・ザ・ダイバー。魚目当てで来たのに、人として成長する教訓が残った。
昼は海に潜って魚を獲り、夜はその魚を寿司屋で出す、という二本立ての作品。潜水と店の切り盛りを行き来するゲームなのに、心に残ったのは「成長の教訓」だというのが面白いところだね。冗談めかした書き方だけれど、店の仲間や海で出会う人々との物語に、思った以上に入り込んだということだと思う。


龍が如く0。キャバクラ経営。
説明が一言もないのに、遊んだ人にはそれだけで通じる。『龍が如く0』は1988年の歓楽街を舞台にした喧嘩アクションだけれど、サイドストーリーとして真島吾朗がキャバクラを立て直す経営パートがある。キャストを選んで席に着け、客の好みに合わせて回していくこのパートに本編そっちのけで夢中になった人は、昔から少なくない。


ウィッチャー3。本編よりグウェントのほうが好きだった。もちろん本編もすごく気に入っていたけど。
作中のカードゲーム「グウェント」は、酒場や商人を相手に対戦できるミニゲーム。のちに単独のゲームとして独立したくらいだから、ここで寄り道しすぎた人は相当多かったはずだにゃ。
ジャンルの看板そのものと、実際にハマった部分がずれていた、という報告もある。
Sons of the Forest。ホラー目当てで来て、サバイバルとクラフトにハマった。少なくとも自分には、ゲーム中のどの怪物よりサメのほうがずっと怖い。泳ぐときの音も映像もかなり迫力があるし、全速力で泳いでいると後ろを振り向けないんだ。
『Sons Of The Forest』は、謎の島に取り残されて食料を集め、拠点を建てながら生き延びるサバイバルホラー。人食いの集団や異形の怪物が売りの作品なのに、いちばん怖いのは海のサメだという。後ろを確認できないまま全力で泳ぐ不安は、作り手が用意したホラー演出とは別のところから来ている。そこが妙に生々しい。


STALKER 2。舞台設定と環境だけが目当てで買ったのに、サバイバルの仕組みと撃ち合いが好きになった。そこは大して気にしていなかったのに。
チョルノービリ周辺の立ち入り禁止区域「ゾーン」を歩き回るFPS。荒れ果てた風景に惹かれて買った人が、残弾や装備の傷み、空腹をやりくりしながらの戦闘のほうに手応えを感じた、という話になっている。


みんなが「いい誤算」を書いているわけではない。少し苦い体験談もあった。
Project Zomboid。友達とマルチで遊ぶために買ったんだけど、やめた。ゲームをかえって悪くするような変なMODを入れさせられて、数週間おきにセーブデータが壊れたから。ソロで遊んだほうがずっと楽しかった。
『Project Zomboid』はゾンビがあふれた町で、食料や水、けが、精神状態まで管理しながら生き延びるサバイバルゲーム。MODが盛んなのは長所だけれど、入れすぎれば遊ぶ環境そのものが不安定になる。目当てのマルチプレイは崩れて、結果的にこのゲームの本来の良さをソロで見つけた、という一件だね。


元の投稿が挙げていた「セールで安かったから」という理由に、そのまま当てはまる声もあった。
Celeste。安かったから買ったんだけど、意外なほどいい体験だった。
山を登る2Dアクションの『Celeste』は、手応えのある足場渡りと、主人公マデリンが自分の不安と向き合う物語で知られている。安さで手に取った作品が「いい体験」として残った、という短い一言には、それ以上の説明はいらないと思う。
Hotline Miami。気づいたらサウンドトラックに惚れていた。
見下ろし視点で一瞬の判断を繰り返す、激しいアクションの『Hotline Miami』。プレイの爽快感で語られがちな作品だけれど、ネオンの色合いにぴったり合ったエレクトロ系の音楽を挙げる人は昔から多い。ゲームを閉じたあとも曲だけ聴き続けた、というタイプの好きになり方だね。
ひとつの返信で2本を挙げた人もいる。
DayZは買ったら1500時間になってた。Firewatchは、休みの日にぴったり。のんびりできて話も良くて、この値段にしてはグラフィックも申し分ない。
1500時間という数字だけで、『DayZ』が「試しに買った」域をとうに越えているのが分かる。一方の『Firewatch』は、山火事の見張り台で働く男性が無線越しの上司と言葉を交わしながら森を歩く、数時間で終わる物語。片方は終わりのないサバイバル、もう片方は休日の午後に収まる短編で、同じ人のライブラリでもハマり方はまるで違う。


返信に並んだ「買った理由」と「残った理由」を並べると、こうなる。
| 作品 | 買った理由 | 好きになった部分 |
|---|---|---|
| Mass Effect 1・2 | 手軽なカバーシューター | 物語(とみられる) |
| Mass Effect 3 | 本編 | 協力型ホードモード |
| Factorio | 拠点作り | 抜け出せない中毒性 |
| デイヴ・ザ・ダイバー | 魚 | 成長の教訓 |
| 龍が如く0 | 記載なし | キャバクラ経営 |
| ウィッチャー3 | 本編 | グウェント |
| Sons Of The Forest | ホラー | サバイバルとクラフト |
| S.T.A.L.K.E.R. 2 | 舞台設定と環境 | サバイバル要素と撃ち合い |
| Project Zomboid | 友達とのマルチ | ソロプレイ |
| Celeste | 安かった | 体験そのもの |
| Hotline Miami | 記載なし | サウンドトラック |
返信の中には『Cities: Skylines』と作品名だけを書いたものもあった。街づくりのどこに捕まったのかは書かれていない。
並べてみて目立つのは、本筋から外れた寄り道に捕まった人の多さだね。グウェント、キャバクラ、寿司屋、ホードモード——どれも作り手が「おまけ」として用意したはずの部分なのに、本編と同じくらい、ときには本編以上に時間を吸っている。『Mass Effect』のコメントが途中で切れていても、「数ドルで買った」の一文だけで、その先に何十時間が続いたのかは想像がつく。
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