Steamのホラーゲーム、2025年の1000レビュー到達率は3.2%—首位陥落でも前年から上昇
「ホラーを作れば当たる」。数年前から小規模開発の界隈でやたらと回っていた助言だけど、ここにきて「その手はもう効かないのでは」と疑う声が開発者側から出ている。参入が増えすぎて、同じ棚に作品が積み上がってしまった、という理由。
じゃあ実際の数字はどうなのか。2025年にSteamで配信されたホラー作品は1,208本で、そのうちレビュー1,000件に到達したのは39本。率にすると3.2%だった。前年2024年を同じ数え方で見ると1.81%なので、供給が膨らんでいる割に、到達率のほうはむしろ上がっている(How To Market A Game)。
そもそもこの助言が広まった発火点のひとつが、ゲームマーケティングを扱うChris Zukowski氏が2023年10月に出した記事「小規模開発者がホラーを1本は作るべき14の理由」。そこに並べられた根拠が、なかなか身も蓋もない数字だった。
| 2022年のSteam配信作品 | ホラー | プラットフォーマー |
|---|---|---|
| 配信本数 | 1,341本 | 1,428本 |
| レビュー1,000件超え | 88本 | 32本 |
| 成功率 | 6.5% | 2.2% |
| 収益の中央値 | 1,200ドル | 467ドル |
| 9.99ドル以上に限った中央値 | 13,271ドル | 5,810ドル |
配信本数はほぼ互角なのに、当たった本数は3倍近く違う。挙げられていた理由も生々しくて、グラフィックの作り込みへの要求が比較的ゆるいこと、背景アセットを使い回しやすいこと、30〜60分で終わる尺でもプレイヤーが納得すること、ストアのカプセル画像をプロのイラストレーターに発注しなくても成立すること、そして競合に習作レベルの作品が多いこと。少ない持ち球でも勝負になる棚として勧められていたわけだね。
裏を返せば、この助言が広まった時点で「参入しやすさ」は前提に組み込まれていた。混むことは織り込み済みだったとも言える。

ホラー1位から3位へ、2025年に順位が動いた
ホラーが飛び抜けていた時期は、集計を並べるとはっきり見える。レビュー1,000件に届いた作品の本数をジャンル別に数えると、2022年は29本、2023年は28本、2024年は47本で、いずれもホラーが1位。ところが2025年は39本で3位に落ちた。上に立ったのはナラティブ系の51本と、シミュレーションの43本だった。
ここで噛み合わないのが、順位を落とした年に到達率のほうは上がっている点。1.81%から3.2%へ、ほぼ倍近く動いている。ホラーの打率が落ちたというより、他のジャンルが伸びて横に並ばれた、と読むほうが自然そう。実際この集計を出した本人も、2025年について「上位ジャンルの顔ぶれは過去数年でほとんど入れ替わっていない」と書いている。流行が入れ替わったのではなく、当たる棚が増えたという話にゃ。
もっとも、これはタグで機械的に区切った数え方なので、1本ごとの採算が取れているかまでは分からない。「ホラーで食えるか」という問いへの答えにはならず、あくまで「1,000レビューまで届くか」の話として見ておきたいところ。
新作『Machine Party』が1か月で3,900件超え
棚が混んでいるのと、棚の前に人がいないのは別の話。2026年に入ってからも、新顔が短期間で数字を積んでいる。
7月末に配信された『Machine Party』は、『Buckshot Roulette』のMike Klubnika氏とGDeavid氏による協力プレイもので、価格は950円。配信から1か月経たないうちにレビューは3,900件を超え、評価は「非常に好評」。日本語はインターフェースと字幕に対応していて、フル音声対応の言語はストア表記に載っていない。
7月下旬に出た『Shift At Midnight』のほうはもっと伸びていて、レビューは9,500件超。こちらは1,350円で、日本語がフル音声にまで対応している数少ない例だね。深夜勤務を題材にしたレトロ調の一人称ホラーで、協力プレイにも対応する。



先に当てた側も止まっていない。2020年配信の『Phasmophobia』はレビュー83万件超、『Lethal Company』は51万件超、2025年2月の『R.E.P.O.』は41万件超まで積み上がっている。どれも友達と騒ぐ形の作品で、いま数を伸ばしている新顔もほぼ同じ形をしているのは偶然ではなさそう。
2025年にSteamへ出たホラー1,208本のうち、1,169本はレビュー1,000件に届かなかった。同じ棚で、39本は届いた。
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