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サンドボックスはSteamで最も稼ぎやすいジャンル、9万9479本の推定収益データで3指標とも1位

投稿: 2026/08/22by tobariware9分で読めます
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2,742本のうち、およそ4本に1本。Steamで「サンドボックス」を主要タグに掲げたゲームが、生涯で推定10万ドル以上に届いた割合が27.4%だよ。Steam全体の中央値が3,564ドルしかない市場でこの通過率なので、ちょっと桁が違って見える。

数字の出どころはThe Steam Revenue Report。Totally Human MediaのIchiro LambeとMatt Martindale、VaporLensのTim Ermilovが組んで公開している集計で、Steamのカタログ13万6,752本のうち、価格が付いていてレビューが1件以上ある9万9,479本に推定収益を割り当てている。Valveとは無関係の第三者による推定で、データは日々更新される。ここで挙げる数字は8月22日時点のものにゃ。

このレポートはジャンルごとに3つの物差しを並べている。中央値(そのジャンルの真ん中の1本がいくら稼いだか)、上位1割の水準(上から10%に入る線)、そして「ヒット率」=推定10万ドルを超えた作品の割合。30ジャンルのうち、3つすべてで首位を取ったのがサンドボックスだった。

ジャンル本数中央値上位1割10万ドル到達率
サンドボックス2,742$7,918$1,452,42127.4%
ビジュアルノベル4,725$6,991$257,35316.5%
シミュレーション14,291$5,240$320,44016.9%
RPG11,406$4,896$539,84719.4%
ホラー6,608$4,888$283,50816.2%
FPS3,452$4,196$1,365,82021.7%
ストラテジー14,166$3,915$273,14416.1%
アクションRPG2,389$3,318$756,79019.0%
アクション26,933$2,794$217,59113.7%
3Dプラットフォーマー2,692$1,255$68,5098.6%
2Dプラットフォーマー4,933$1,189$34,2835.5%

面白いのは、上位1割の水準ではFPSが145万ドル対137万ドルとほぼ並んでいること。天井の高さだけならFPSも変わらない。差が付くのは真ん中で、FPSの中央値4,196ドルに対してサンドボックスは7,918ドル。当たったときの規模ではなく、外れたときの落ち方が浅い。

一番下の2Dプラットフォーマーと比べると差はもっと露骨で、中央値で6.7倍、上位1割の線では42倍になる。同じ棚に並んでいても、種類が違えば分布そのものが別物ということ。

ホラーの16.2%という数字も、基準を変えると見え方が変わる例だよ。2025年に出たホラーが1,000レビューに到達した割合は3.2%だったけれど、あちらは「1,000レビュー」、こちらは「推定10万ドル」で、線を引く場所が違う。

📄 Steamのホラーゲーム、2025年の1000レビュー到達率は3.2%—首位陥落でも前年から上昇

16.9倍から2.1倍へ、7年で落ちた優位

「ずっと強い」で終わらせると見落とすものがある。レポートには、各ジャンルのその年の中央値を、同じ年に出た全ゲームの中央値で割った比率が年ごとに載っていて、サンドボックスの推移がなかなか激しい。

2014年は6.97倍、2017年に14.9倍、2019年には16.87倍まで上がった。ところが2021年に1.53倍まで落ち、その後は1.6〜2.3倍を行ったり来たり。2026年は2.10倍だ。

同じ期間、このジャンルに出た本数はこう動いている。2014年は26本、2019年で92本、2020年は113本。それが2021年に256本へ跳ね、2025年は520本、2026年は8月時点ですでに464本。倍率が崩れた年と、本数が倍増した年がぴったり重なっている。

つまり「サンドボックスは強い」と「サンドボックスなら儲かる」は別の話。優位そのものは13年間一度も消えていないけれど、その大きさは10分の1近くまで削れた。ちなみに13年を通して一度も1.0倍を割らなかったジャンルは30のうち7つ(サンドボックス、シミュレーション、ホラー、サイコロジカルホラー、ビジュアルノベル、探索、ローグライト)で、最低の年でも1.53倍を保っていたのはサンドボックスだけだった。

ジャンル内の最大手は『Terraria』。2011年5月の発売から154万件以上のレビューが積み上がり、9.99ドルという価格で推定5億4,032万ドル。ここでの「サンドボックス」を代表する1本と言っていい。

上位6タグ基準だと『Rust』は数に入らない

ここが数字を読むうえで一番大事なところにゃ。レポートは、あるタグをそのゲームの上位6タグに持っている場合だけ、そのジャンルに数える。「ローグライクのタグがどこかに付いている」ではなく「実際にローグライクである」ものを測るための線引きだよ。

この線を当てると、サンドボックス的だと思われている大物がごっそり外れる。

『Rust』でサンドボックスは8番目、『Satisfactory』は9番目、『No Man's Sky』は10番目、『7 Days to Die』は12番目、『Valheim』にいたっては14番目。『Palworld』も12番目で、どれも6位以内には入らない。プレイヤーが先に選ぶのは「サバイバル」「オープンワールドサバイバルクラフト」「拠点構築」あたりで、サンドボックスはその後ろに続く語になっている。

だから2,742本という母数は、名前から想像するよりずっと狭い。『Terraria』のようにサンドボックスが2番目に来る作品と、物理演算や自由な仕掛け作りを前面に出した作品が中心の集まりで、生存や採取が主役の巨大タイトル群はそもそも別のジャンルとして数えられている。「サンドボックスがSteamを制圧した」と読むと、実態からはかなりずれる。

では中身は何かというと、たとえば8月13日に出たばかりの『Sandustry』。ピクセル単位で崩れる地形を掘り進めて生産ラインを組み上げていく作品で、サンドボックスが筆頭タグ。230件のレビューで99%が好評、推定収益は12万669ドル——ちょうど、さっきの10万ドルの線をまたいだところにいる。

上位1%が総額1,303億ドルの84.5%を独占

ジャンルの話をひとまず置くと、土台になっている分布のほうがよほど厳しい。

推定の対象になった9万9,479本の総額は約1,303億ドル。そのうち84.5%を上位1%が、96.9%を上位5%が持っていく。下半分の5万本弱を全部足しても、全体の0.04%にしかならない。レポートはこれを「対数目盛りだから点が見えるだけで、実際の目盛りで描けば平らな線と200個ほどの点になる」と説明している。

パーセンタイルで並べるとこう。10%地点が209ドル、25%が700ドル、真ん中が3,564ドル、75%で2万5,365ドル、90%で23万6,387ドル、99%まで来てようやく1,585万ドル。生涯推定1万ドル未満が6万4,613本で全体の60%を占め、1億ドル超えは246本(0.23%)しかない。その246本が全推定収益の62.2%を握っている。頂点は『Grand Theft Auto V Legacy』の推定43億5,571万ドル。

しかも年を追うごとに悪化している。発売年別の中央値は2016年が1万5,913ドル、2020年は3,493ドル、2025年は2,302ドル。同じ期間に年間リリース数は4,130本から2万3,080本へ増えた。発売時の中央価格も2006年の9.99ドルから、2017年以降はおおむね4.99ドルで張り付いている。棚は5倍以上に膨らみ、1本あたりの取り分は7分の1になった、というのが並べたときの姿だね。

最後に、この数字がどう作られているかを書いておかないと片手落ちになる。Valveは販売本数を公表していないので、レポートはレビュー件数に一定の倍率を掛けて販売本数を推定し、そこに価格を掛けて総額を出している。倍率は既定で35倍、レポート上で20倍と50倍にも切り替えられるようになっていて、「ダイヤルの無い1つの数字は、この手法が持っていない精度を装うことになる」という理由で幅を見せる作りにしてある。

抜け落ちるものも明記されている。基本プレイ無料の1万8,419本は価格が無いので推定できず、『Counter-Strike』も『Dota』もこの1,303億ドルには一切入っていない。価格が記録されていない1万691本、レビューが0件の8,163本も対象外。使っているのは現在の米国定価なので、長期にわたって値引きを重ねた作品は過大に出るし、地域別価格もDLCもバンドルも反映されない。

そして全部「gross」——Valveの30%も、各国の税も、返金も引かれる前の数字だよ。1万ドルの推定が出ていても、口座に届くのはそれよりだいぶ小さい。

13年間、市場平均を一度も割らなかったジャンルは30のうち7つ。そのうち最低の年でも1.53倍を保ったのはサンドボックスだけで、その最低値を記録したのが、本数が113本から256本へ倍増した2021年だった。

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