Steamのタグは当てにならないのか r/Steamの議論と、名指しされた4本のタグを確認した
ゲームを見つけるための道具だったはずのタグが、今では冗談みたいになっている——r/Steamにそういう趣旨のスレッドが立ち、上位まで伸びた。添えられていたのは、ストアページのタグ欄を写した画像が1枚。ところが集まったコメントを追っていくと、話は「タグが壊れている」では終わらなかった。
まず仕組みから確認しておく。Steamworksのドキュメントによれば、Steamのタグは開発者・制限のかかっていないアカウントのプレイヤー・Steamのモデレーターの三者が個別に付けられる。開発者は発売前に最低5つ付けるのが必須で、20個まで付けることが推奨されている。
肝心なのはその先。ユーザーが付けたタグは、開発者が付けたタグより軽く扱われる。そしていくつタグが集まろうと、表示とストア内での露出に使われるのは上位20個だけ。落書き帳のように誰でも好き勝手に書き込める場所ではなく、開発者の指定を土台にして、そこにプレイヤーの投票が乗って順位が動いていく作りになっている。的外れなタグが居座ったときは、開発者がタグウィザードから外すか、ストアページのタグの横に出るフラグのアイコンを押して取り除ける。
ただ、この仕組みがそのまま画面に見えているわけではない。ストアページで最初に並んでいるのは上位のいくつかだけで、右端の「+」を押してようやく全部の一覧が開く。今回のねじれは、だいたいここから生まれていた。
スレッドには、具体例を挙げて不満を足すコメントがいくつも付いた。宇宙が舞台なのに宇宙ものになっていない、紹介文の1文目に街づくりと書いてあるのに街づくりに分類されていない、あの魔法学校ものにファンタジーが付いていない——といった調子。せっかくなので、9月16日時点のストアページで上位20個を1本ずつ確かめてみた。
| 作品 | スレッドでの指摘 | 実際に付いているタグ |
|---|---|---|
| Rebel Galaxy | 宇宙ものになっていない | 1番目が「Space」、8番目に「Space Sim」 |
| Kerbal Space Program | 同上 | 1番目が「Space」、6番目に「Space Sim」 |
| Surviving Mars: Relaunched | 街づくりに分類されていない | 3番目に「Colony Sim」、4番目に「City Builder」 |
| Hogwarts Legacy | ファンタジーが付いていない | 1番目が「Magic」、3番目に「Fantasy」 |

4本とも、該当するタグは上位に入っていた。しかも宇宙ものの2本は「Space」が堂々の1番目。抜けているどころか、いちばん重いところに置かれている。既定で見えている数個だけを見て判断したのか、それとも別の画面と取り違えたのか——どちらにせよ、タグそのものは指摘の通りには壊れていなかった。
Valveが5月にタグを17個追加、28個削除した
タグの一覧は固定されているわけでもない。2026年5月、Valveはストアタグの追加・削除・編集を告知し、17個を新設、28個を削除、いくつかを統合・改名した。2024年以来の大きな手入れで、狙いはプレイヤーが好みに合う作品を見つけやすくすることと、レコメンドの精度を上げること。
消えた側の理由がわかりやすい。「Mature」「NSFW」は、すでにある「Gore」「Violent」「Sexual Content」と中身がかぶっていて、単体では何を指すのか曖昧すぎるという扱い。LEGOやWarhammer 40Kのような特定の版権を指すタグも、開発元・販売元が用意するフランチャイズのページのほうが正確に整理できる、として落とされた。増えた側には「Bullet Heaven」のように、ここ数年で数が増えたジャンルを名前で拾う枠が並んでいる。
つまり運営側は、タグを放置しているわけではない。ただ、手入れの周期は年単位で、ストアに毎日追加される作品の速度とは噛み合っていない。「当てにならない」という体感のいくらかは、この時間差から来ていると思う。
タグ管理は高評価ユーザーに任せる案が最多支持を集めた
集まった声のうち、いちばん支持を集めたのは仕組みを足す提案だった。
Steamにも評価の仕組みを作って、評価の高いユーザーにタグを管理させたらいい。おかしなタグはそういう人たちに報告できるようにして。
Wikipediaと同じやり方だ。
コミュニティで運営していく形だね。Wikipediaにしても Stack Overflow にしても、もう機能している例はある。
賛成が続く一方で、同じ流れの中から冷静な留保も出た。編集権限を誰かに渡す仕組みは、渡された側の姿勢しだいで簡単に傾く、という指摘。
うまく回るのは、権限を持った人が自分の目的より場を育てることを優先している間だけ。閉じた輪になってしまった場所なら、いくらでも思い当たる。
検索が噛み合わないという実例も挙がった。成人向け要素を示すタグで絞り込むと、確かにその要素はあるけれど探しているものとは違う大作が上位に並んでしまう、という話。これにはすぐ反論が付いていて、要は絞り込みの粒度の問題だという整理に落ち着いている。
友人がそういうタグで探すんだけど、CyberpunkやGTAが出てきて毎回うんざりしている。
その2本はどちらも条件を満たしているよ。もっと的を絞ったタグで探せばいい。
よその店と比べる声も出た。ただ、これも隣の芝生だったようで、具体例で返されている。
Epicのほうがタグの仕組みがマシだと感じる時点で相当まずい。
Epicが優れているとはとても思えない。付けられるのは3つだけで、ジャンルがほとんど落ちる。Skyrimはアドベンチャー・オープンワールド・RPGの3つで、ファンタジーすら入っていない。
そして議論の足元をひっくり返したのが、タグ欄の「+」を知っていた人たちだった。
「+」を押せば全部のタグが見られる。既定では全部は出ていないだけ。ARC Raidersのタグも見てみたけど、かなり正確だと思う。
投稿主の画面に出ているのは、ARC Raidersではなく別のゲームのタグでは。
そのすぐ下にあって画面に写っていないゲームのタグが表示されているんだと思う。


実際にARC Raidersのタグを開くと、「Extraction Shooter」を頭に「Multiplayer」「PvP」「PvE」「Third-Person Shooter」と続く。文句の付けようがない並びにゃ。少なくとも槍玉に挙がった作品については、タグが仕事をしていないという証拠はどこにも残らなかった。
不満そのものが無意味だったわけでもない。上位の数個しか見えない表示、年単位でしか整理されない語彙、そして順位が投票で動くという性質。この3つが重なると、探し物が見つからなかった理由を「タグが壊れている」と受け取ってしまうのは無理もない。
そのスレッド自体は、後にルール1(基本要件と品質基準)に触れるとして運営に取り下げられている。告発の材料になった画像が結局どのゲームのタグを写したものだったのか、それを確かめる手立ても一緒に消えた。
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