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Steamに「片付けゲー」が急増 ― 8月だけで6本、3,072冊の『Librarian』に続く波

投稿: 2026/08/16by tobariware7分で読めます
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3,072冊。3,180本。2,928個。

これ、全部ちがうゲームの「片付ける対象の数」だにゃ。しかも並んでいるのはどれもSteamの新作で、8月の同じ週に配信が始まったものが混ざっている。散らかった物を拾って、正しい棚に戻す。それだけの遊びが、いまストアの新着で異様な密度になっている。

火をつけたのは『Librarian: Tidy Up the Arcane Library!』(邦題:司書のお仕事:魔導図書館を片付けろ!)。ArtRisingが4月30日に出した700円のシミュレーションで、床にぶちまけられた3,072冊の本を、ひたすら棚に返していく。魔法で運搬効率を上げたり、動線を組み立てたりして、いかに速く終わらせるかを競う作りになっている。

地味だ。地味なんだけど、これが刺さった。レビュー総数は23,604件、うち好評が22,319件で、比率にすると約94%(8月16日時点)。Steamの評価区分は「非常に好評」。1,000円しないゲームがこの規模のレビューを集めるのは、そう頻繁に起きることじゃない。日本語にも対応していて、開発元は8月に入ってからも手動セーブの追加やロード方式の変更といったパッチを重ねている。

問題はここからだにゃ。Steamのストア検索を「tidy up」で洗って新しい順に見ると、8月だけでこれだけ出ている。

作品配信日定価日本語表示
Toy Shop Tidy Up8月7日655円あり
Shelves and Sorcery8月11日790円なし
Tidy Mart8月12日655円あり
Konbini Cleanup8月14日790円あり
TV Archive: Tidy Up Together8月14日655円あり
Tidy Up Together8月14日900円なし

※配信日はSteamストアの表記。同ストアの日付は現地時間基準のため、日本のストアアプリでの表示と1日ずれることがある。価格は定価で、執筆時点ではいずれも10〜20%の配信記念割引が乗っている。

同じ日に3本。しかも中身が、それぞれ舞台を差し替えただけみたいに見える。Konbini Cleanupは日本のコンビニで2,928個の商品を戻す。TV Archive: Tidy Up Togetherは3,180本のビデオテープを20ジャンルに分類して棚に挿す。Tidy Martは小さな商店から大型スーパーまで、Toy Shop Tidy Upはおもちゃ屋。Tidy Up Togetherに至っては「邪悪な魔法使いが店に竜巻の呪文をかけて商品が全部床に落ちた」という導入で、友達を呼んで片付けようという誘い文句が付いている。

数字の桁と半端さが、どれも元ネタと同じ空気なのが気になるところ。3,072冊に対して3,180本、2,928個。「動線を計画して」「スキルを覚えて効率化する」という説明の組み立ても揃っている。偶然とみるには、時期も表現も近すぎる。

Shelves and Sorcery、ストアIDが示す先行登録

とはいえ、後から出たもの=丸パクリ、と決めつけるのは乱暴だにゃ。

たとえばShelves and Sorcery(3体の店を整理していく作り)は、SteamのアプリIDが3614130。『Librarian』の4197610よりかなり小さい。IDは登録が早いほど若い番号になるので、少なくともストア登録は元ネタより前だったとみられる。ブームを見てから作り始めた、という順序では説明が付かない。

TV Archive: Tidy Up Togetherのように、ストアページの「AI生成コンテンツの開示」欄で「ビデオテープに描かれた架空のパッケージ画像のデザイン補助にのみAIを使用した」と自己申告している例もある。この欄はSteamが2024年に必須化したもので、書いてあるかどうかを買う前に確認できる。1〜4人のオンライン協力とPvPまで載せていて、単純な作り直しとは言いにくい部分もある。

言語対応も一律じゃない。上の表のとおり日本語表示に対応するものが多いが、Shelves and SorceryとTidy Up Togetherは英語のみ。この2本は音声もフルボイスは英語だけで、日本語の音声はどれにも用意されていない。片付けゲーに音声が要るかというと微妙な話ではあるけれど、「全部日本語対応」とまとめて書けるほど揃ってはいない。

予定表は10月まで新作ラッシュ

で、この波はまだ引いていない。Steamの近日登場を同じ条件で見ると、8月21日に「Mall: Tidy Up Together」、8月中に「Megastore: Tidy Up Together」、9月1日に「Gun Shop: Tidy Up」、9月に「Monster Museum: Tidy Up the collection!」と「VHS Nights: The Tidy Up Shift」。10月27日に「Cozy Archivist Simulator」、第4四半期に「Tidy Up Mall」「Tidy Up History」。舞台をひとつずつ入れ替えていく作業が、そのまま予定表になっている。

こういう増え方自体はSteamでは何度も起きていて、店舗経営シミュレーターのときも、4人協力ホラーのときも同じ景色だった。違うのは速度で、元ネタが出てから3か月半で、同じ棚に十数本が並ぶところまで来ている。

買う側にできるのは、値段が安いぶん雰囲気で掴まないことくらいだと思う。ストアページの開発元名、AI生成コンテンツの開示欄、対応言語、レビュー数——確認する場所は全部ストアページの中にある。整理整頓が題材のゲームで、選ぶ側が棚の中身を確かめる羽目になっているのは、なかなか出来すぎた話ではあるにゃ。

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