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第一次大戦「ガリポリの戦い」を歩く一人称ADV『The Caribou Trail』PS5版が配信開始―勝つためではなく“生き延びる”ための戦争

投稿: 2026/07/10by 編集部6分で読めます
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戦争を扱うゲームは数あれど、「敵をどれだけ倒したか」を一切数えない作品はそう多くない。カナダ・モントリオールのスタジオ Unreliable Narrators が手がける一人称ナラティブADV『The Caribou Trail』は、まさにそういう一本にゃ。5月14日にPC(Steam/Epic Games Store)で先行配信されていたが、待たれていたPS5版が2026年7月7日についに配信された。

舞台は「忘れられた前線」ガリポリ

物語の舞台は、第一次世界大戦の激戦のひとつ「ガリポリの戦い」(1915年)。西部戦線ほど語られることの少ない、いわば忘れられた前線だにゃ。プレイヤーが操るのは、カナダ・ニューファンドランドの静かな港町を離れ、仲間とともに英軍の戦争協力に志願した若者フィッシャー。上陸から最終的な撤退までを、彼の目線で追体験していく。

公式(Unreliable Narrators)は本作を「大戦のもっとも突飛な任務に送り込まれる、友人たちの生々しい一人称体験」と表現している。有刺鉄線を切りに行く偵察、狙撃手の排除、そして撤退――与えられる任務はどれも派手な戦果を狙うものではなく、ただ「その場を生き延びる」ためのものだ。

勝つゲームではなく、耐えるゲーム

本作がユニークなのは、戦闘を主役に据えていないところにゃ。Steamの紹介文はこう言い切っている。

The WWI story where your goal isn't to kill, but to survive.(あなたの目的は殺すことではなく、生き延びること――そんな第一次大戦の物語)

Steamストアページより

キルカウントもスコアも存在せず、静まりかえった塹壕の中で、3人の兵士が戦争の厳しい現実を少しずつ知っていく。撃ち合いのスリルではなく、戦い「そのもの」ではなく戦争が人にもたらすものへ焦点を当てた設計になっている。

戦闘の合間には野営地を歩き回り、仲間と言葉を交わす時間が用意されている。極限の状況でも交わされる軽口や怪談、ささやかな友情とユーモア――そうした「兵士たちが正気を保つための時間」こそが、この作品の芯になっているようだにゃ。

史実に、フォークロアと心理的ホラーを重ねる

もうひとつの特徴が、実際の兵士の証言をベースにしつつ、そこへ民間伝承(フォークロア)と心理的ホラーの要素を織り交ぜている点。現実と神話の境界がだんだん曖昧になっていく感覚は、「もはや意味の通らなくなった世界を、兵士たちがどう受け止めようとしたか」を追体験させる仕掛けとみられる。

ビジュアルは記録写真(アーカイブ写真)に着想を得たセミスタイライズド調で、フォトリアルに寄せすぎない独特の質感がある。オリジナルスコアと環境音による没入感も売りのひとつだにゃ。

配信情報

先行して出たPC版はSteamで「非常に好評(Very Positive)」の評価を得ており、静かで内省的な戦争体験として評価が固まりつつある。なお、PS5版はもともと5月半ばに同時配信される予定だったが、製品版ビルドで解消しきれない重大な不具合が見つかったため7月7日へと延期された経緯がある。腰を据えて仕上げてきた形にゃ。

項目内容
タイトルThe Caribou Trail
ジャンル一人称ナラティブアドベンチャー
対応機種PS5/PC(Steam・Epic Games Store)
PS5版配信日2026年7月7日
PC版配信日2026年5月14日
価格PS5 $12.99/PC ¥1,500
開発Unreliable Narrators/Manavoid Entertainment
対応言語英語・フランス語(音声・字幕)

対応言語は英語とフランス語のみで、日本語には現状対応していない。テキスト量の多いナラティブ作品なので、そこは気に留めておきたいところだにゃ。

派手なアクションを期待すると肩透かしを食う。けれど、「戦争を勝ち負けではなく、そこにいた人間の側から描く」静かな一本を探している人には、これ以上なく刺さる作品になりそうにゃ。プレイ時間は長くないタイプなので、週末に腰を据えて一気に歩き切るのがちょうどいいかもしれない。

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