『空の軌跡 the 2nd』OpenCritic92点で発売、Redditは20年ぶんのシリーズ論争へ
92点。批評家の95%が推奨に入れた数字がスレッドの頭に並んでいるのに、その下でいちばん長く続いたのは点数の話ではなかった。
『英雄伝説 空の軌跡 the 2nd』のレビューが解禁され、Redditのr/Gamesにレビュースレッドが立った。書き込まれていったのは新作の出来というより、20年かけて積み上がった軌跡シリーズそのものへの採点。褒める声、途中で降りた人の声、その両方に噛みつく声が入り乱れている。
OpenCritic 92点、95%が推奨に入れた
まず数字から整理しておく。レビュー集計サイトのOpenCriticでは9月17日時点で20件のレビューが集まり、批評家平均は92点、95%が「推奨」に入れている。10点満点を出した媒体が複数ある一方で、80点前後に置いた媒体もあり、上下の幅はそれなりにある。
比較対象になるのは昨年の『空の軌跡 the 1st』で、こちらは最終的に85件・平均90点・推奨率100%まで伸びた。2ndはまだレビューが集まりきっていない段階だから、この先どちらへ動くかは未確定。
発売は2026年9月17日。対応機種はNintendo Switch 2、Nintendo Switch、PlayStation 5、Steamで、公式サイトによるとSteam版の販売開始は同日の午前10時から。通常版は機種によって8,800円〜8,950円、デジタルデラックス版が12,650円、限定版のウロボロスBOXが13,860円という値付けだよ。
言語まわりは1項目ずつ見ておきたいところ。Steamのストア表記では、音声まで入っているのは日本語と英語の2つだけで、フランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語はインターフェースと字幕のみの対応になっている。
第1章ぶんを丸ごと遊べる体験版が先に配信されており、そこで作ったセーブデータは製品版へ持ち込める。
そして9月17日という日付には、もうひとつ大きな新作が乗っかっている。Switch 2向けの『ファイアーエムブレム 万紫千紅』が同じ日の発売で、スレッドにはさっそくこんな嘆きが上がった。
1作目の物語がここで完結すると聞いて、リメイク2本をまとめて遊ぶつもりで待っていた。それがファイアーエムブレムと同じ日に出るなんてひどい。自分は来年に回すことになりそう
スレッドの上の方に付いたのは、素直な称賛だった。
軌跡シリーズは、自分の人生でも指折りのゲーム体験だった。最初の2本がこれだけ丁寧に作り直されたのを見ると、本当に嬉しい。一度は触ってみてほしい、それくらい良い
海外でこの2本が特別な位置に置かれているのには、少し込み入った事情がある。原作の『英雄伝説 空の軌跡 SC』が日本で出たのは2006年3月9日。ところが英語版が届いたのは2015年10月29日で、9年以上の空白があった。FCの終わり方が完全に続きへ投げる形だったぶん、SCは「ようやく回収された物語」として記憶されている。今回のリメイクが世界同日発売なのは、それ自体がちょっとした事件なんだよね。
ただ、称賛はそのまま「空の2本が頂点だった」という主張へ滑っていく。
閃の軌跡より後は未プレイだから分からないけど、残念ながら他のどれも空のFCとSCほどではない。零と碧は近いところまで来ているけれど。FCとSCは、自分が遊んだJRPGでも最高の2本



ここから先が本題みたいになっていく。軌跡シリーズは空の三部作から始まって、零と碧のクロスベル編、閃の四部作、創、そして黎と、20年かけて本数も登場人物も積み上がってきた。その増え方に付いていけなかった、という声がいくつも並ぶ。
閃の軌跡は、とにかく膨らみすぎている
自分は閃I、それに評判の悪いIIまで好きだった。でもIVがあまりに酷くて、シリーズへの信頼を失った
具体的な不満を挙げた書き込みもあった。
閃IIIは苦行だった。どの戦いも最後は誰かがカットシーンの外から喋って終わるし、話は強さの格付けばかり。そして必ず、どこかの誰かが助けに現れる
もう少し引いた見方をする人もいる。
零は同じ水準にあると思う。閃の1作目もかなり近い。ただ、その後は型どおりの展開と恋愛コメディに寄っていって、政治の駆け引きを魔法に明け渡してしまった
SCの後、シリーズの出来がぶれていくのは寂しい。同じ水準が続くと思っていたけれど、あれは一度きりの当たりだったのかもしれない
もちろん、こういう総括に黙っていない人もいる。
自分は閃III、創、黎も好きだった。他のも楽しかった
短い一行だけど、スレッドの空気に対する返答としてはかなり効いていた。
そして議論がいちばん熱を持ったのが、この一点。「軌跡は途中からアニメになった」という言い方への異議だった。
シリーズが「アニメになった」という批判はよく分からない。空の軌跡FCの時点で、もうアニメだった
批判した側も、言いたいことを言葉にしようとしている。
言葉にしづらいけれど、ジブリのアニメと、いわゆる量産型のアニメの違いのようなもの。大げさなリアクション顔(FCのリメイクでは少し冷めた)や、型にはまりきった作りとか、そういう部分
この説明に対しては、かなり具体的な反論が返っていった。
FCとSCが閃やクロスベル編より型にはまっていない、なんてことはない。閃が使う型が好きじゃないだけ。「どこかの誰かが助けに来る」「ゲーム上は勝っているのに敵には敵わない」みたいな話は、SCにも山ほどある
こういう型は最初からあった。ルシオラの衣装を見てほしい、あれは今でもシリーズ随一だと思う
一方で、「量が違う」という線引きを持ち出す声もある。
零も碧も好きだけど、その手の見せ方の量はSCと比べて段違い。1人だけそういうデザインのキャラがいるのと、全体がそうなるのとでは話が別
この応酬に、話をもう一段ひっくり返す書き込みが入った。
「アニメだ」という批判はおかしい。最初からアニメだ。嫌いな型に寄っていったのは事実かもしれないけど、始まりからずっとアニメ。そもそもJRPGなんだから
「アニメっぽくなったのが嫌」という言い方は、たいてい「00年代後半以降のアニメの型を使い始めたのが嫌で、90年代までの型を続けてほしかった」という意味でしかない
結局のところ、変わったのは作品の側なのか、遊ぶ側が親しんだ年代の型なのか。答えは出ていないけれど、論点の置き方としてはなかなか鋭いにゃ。


翻訳が出るまで9年、待てずに日本語を覚えた人もいた
長い言い合いの隅に、ぽつりとこんな一行があった。
自分もそう。翻訳が無かった頃にこれを遊びたくて、日本語を覚えた
軽い冗談のようでいて、これは当時の状況をそのまま表している。英語で遊ぶ手段が存在しない9年半のあいだ、続きが気になった人の一部は本当に原語へ手を伸ばしていた。そうやって埋められた空白が、今回は最初から存在しない。
スレッドで交わされたのは、点数の妥当性ではなく「このシリーズはどこが頂点で、どこから変わったのか」という20年ぶんの見立てだった。原作のSCが日本で出たのは2006年3月9日、英語版が届いたのは2015年10月29日。その9年半を自力で埋めた人たちが、今回は発売日当日に同じスレッドへ書き込んでいる。
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