AMDが少量の携帯ゲーム機向け専用チップから手を引くとの報道、Steam Deck 2への影響をRedditが議論
「AMDが携帯機から撤退」と読めそうな見出しだけど、話の中身はもう少し狭い。数百万台規模の生産を約束できない携帯機のために、そのハード専用のカスタムチップは作らない、という話だね。
r/Steamで多くの票を集めたのは、Digital Foundryの報道をまとめたスクリーンショットの投稿。タイトルには「Steam Deck 2のような少量生産の携帯機向けには、AMDはもうカスタムチップセットを作らない」「その結果、RDNA5を積む携帯機は噂のPS6携帯機だけになるという」とある。AMDもValveもSonyもこの件について公式には何も発表していない。報道の段階の話として読む必要があるにゃ。
Steam Deckのチップは何だったのか、Ryzen Z2はどうだったのか
いまのSteam Deckについて、Valveは公式の技術仕様ページで「6nm AMD APU」と書いている。中身はZen 2の4コア8スレッドCPUとRDNA 2の8CU構成のGPUで、APUの消費電力は4〜15W。携帯機のために詰めた構成で、ほかの携帯ゲーミングPCには載っていないチップだ。

一方、ほかのメーカーの携帯機は事情が違う。AMDは2025年1月のCESで、携帯ゲーミングPC向けのRyzen Z2シリーズを発表した。こちらは特定の1社のためではなく、複数のメーカーへ供給する前提のラインアップになっている。

| モデル | CPU | GPU |
|---|---|---|
| Ryzen Z2 Extreme | 8コア16スレッド(Zen 5) | RDNA 3.5・16CU |
| Ryzen Z2 | 8コア16スレッド(Zen 4) | RDNA 3・12CU |
| Ryzen Z2 Go | 4コア8スレッド(Zen 3+) | RDNA 2・12CU |
報道どおりなら、これから出る携帯ゲーミングPCは、Z2シリーズのように複数メーカーが同じチップを分け合う形が中心になる。Steam Deckのような専用チップを持つ携帯機は、生産台数で採算が取れる一部のハードに限られることになるね。
Steam Deck 2について、Valveは開発を続けていることを認めているが、発売時期も中身も発表していない。Sonyも携帯機を発表しておらず、市場にあるのはリモートプレイ専用のPlayStation Portalだけ。「PS6携帯機だけがRDNA5」という部分は、まだ存在が公式になっていないハード同士を比べた予想ということになる。
Redditの反応
コメント欄で最初に目立ったのは、見出しを読み違えないようにと念を押す声だった。
AMDは一定の注文数が保証されなければカスタムチップを作らない、というだけ。誰でも使える携帯機向けチップを作らないという意味じゃない。いずれは出てくるはず。
似た趣旨で、「Steam Deck 2とROG Ally X 2が、それぞれ専用チップを持つことはなくなるだけ。たぶん同じチップを積むことになる」という書き込みもあった。ここから、同じチップならかえってありがたいという意見につながっていく。
個人的には、同じチップセットを使う携帯機が増えるのは歓迎。中身が同じハードの中から、メーカー同士の競争で選べるのはいいことだと思う。
もともとSteam Deckのチップは専用設計ではなかった、という主張もあった。「別のノートPC向けに作られたものを、AMDが流用しただけ」というものだ。Valveの公式ページにはチップの出自について記載がないので、ここは書き込みの主張として受け取っておきたい。Z2系についても「ノートPC向けチップの機能を削ったもの」という見方が出ていて、そこから話は値段へ移っていった。
ノートPC向けそのままのチップはGPDやOneXPlayer、AYANEOのような少数派の携帯機に載っていて、むしろドライバの更新は早い。問題は価格。Z Extremeはノート向けチップの選別品・縮小版で、ASUSやMSIには安く卸されているんだと思う。
もっと悲観的な見方もある。噂では次のZ3は「RDNA4m」で、中身はRDNA 3.5のままになるという話を持ち出して、こう続けた。
AMDはRDNA 3.5を2028〜2029年まで使い続けるとリークされている。利益の出ないものには、当分RDNA5を使う気がないみたいだ。
「それならIntelにすればいい。携帯機向けのモバイルチップでは、いまはIntelのほうがAMDを圧倒している」という声に、「Intel復活?」と返す人もいた。いちばんやり取りが続いたのは、「むしろArmへ移る時期だ」という書き込みからの流れだね。ValveはVRヘッドセットのSteam FrameでArm系のSnapdragonを採用していて、x86のゲームを動かす変換レイヤーFEXにも力を入れている。

ValveがProtonと同じくらいの開発費をFEXにつぎ込むなら、Armチップは十分現実的だよ。
これには、変換の難しさは比べものにならないという反論がすぐについた。
無理だと思う。ProtonはDirectX向けの命令を、同じGPUの上でVulkanに置き換えているだけ。WindowsでもLinuxでもCPUはどちらもx86だ。x86からArmへの変換はまったく別の話で、いまのFEXは最善のケースでも性能が15%落ちる。
開発費の面からも「Valveは外部の開発者に大金を払ってきたけど、それをもう一度やりたいとは思えない」という書き込みがあった。「もうやっている」という返事に「同じ規模じゃない」と返すところで、このやり取りは終わっている。
専用チップが無くなるのを惜しむ声よりも、汎用チップで何ができるのか、x86にこだわる必要はあるのかへ話が広がっていった。Steam Deck 2に何が載るのかは、Valveが仕様を出すまで分からない。
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