『球ひろいSimulator』8月31日Steam配信 ― ウィッシュリスト1件から始まったチェコ語対応
野球部の球拾いをまるごと1本のゲームにした、というだけでも十分に変わっている。そこへ「チェコからのウィッシュリスト登録がたった1件あったから、チェコ語に対応する」という話が乗って、この小さな作品は国境をまたいで広がっていった。個人開発者・えば氏のEBA GAMEが手がける一人称の落とし物探索シミュレーター『球ひろいSimulator』が、8月31日にSteamで配信される。
チェコからの登録は、たった1件だった
きっかけは、えば氏がウィッシュリストの内訳を眺めていたときのことだったという。チェコからの登録が1件だけ入っていた。ワールド・ベースボール・クラシックでチェコが見せた野球への敬意と、日本へのリスペクトを知っていた同氏は、その1人のためだけにチェコ語対応を決めた——というのが、今回の騒ぎの発端だよ。
この対応がSNSで一気に拡散し、海外でも大きく取り上げられた。反応はプレイヤーだけにとどまらず、『キングダムカム・デリバランス』で知られるチェコのスタジオWarhorse Studiosまでもが反応している。
さらに開発者によると、チェコ代表の投手オンジェイ・サトリア選手からも連絡が届き、ゲーム内への音声・写真での出演が実装予定になったとのこと。当初はAI翻訳で済ませるつもりだったチェコ語ローカライズも、有志のチェコ人の協力に切り替わり、プロ声優によるチェコ語のフルボイス化まで決まったそうだ。1件のウィッシュリストが、ここまで転がっていくとは本人も思っていなかっただろうね。
こうした反響を受けて、Steamのウィッシュリスト登録数は当初の約350件から現在は約6,500件へと膨らんだ、と開発者は明かしている。うちチェコからの登録は2,000件を超え、国内の登録数のおよそ2倍に達しているというから、話題の広がり方がそのまま数字に出ているにゃ。
肝心のゲームの中身は、日本の高校野球部を舞台にした一人称視点の落とし物探索シミュレーターだよ。練習後に使ったボールの数を数えるのが野球部の日課。ところがある日、数が足りない。監督に叱られるのを恐れた先輩たちが、主人公に「探してこい」と球拾いを命じる——という、経験のある人には妙にリアルな出だしから始まる。
先輩には「はい」としか返せない主人公が、監督の視線や理不尽な上下関係に耐えながら、グラウンドや校舎、部室のまわりに散らばったボールを拾い集めていく。必要数より多く拾ったぶんは次のステージへ持ち越せる仕組みになっている。
作者や周囲の実体験をもとに、当時の抑圧や理不尽さを描いた“心理的ホラー”という位置づけ。ただし「それをホラーと受け取るかどうかはプレイヤー次第」とされていて、幽霊や化け物が出るタイプの怖さとは少し毛色が違うみたいだね。Steamのストアページでは、ジャンルにシミュレーションやウォーキングシミュレーターと並んでサバイバルホラーのタグも付いている。対応言語は日本語・英語に加え、話題のチェコ語や中国語(簡体字・繁体字)、韓国語まで用意されている。
配信は8月31日、対応プラットフォームはPC(Steam)。価格は700円で、発売記念セールとして30%オフの490円で出る予定だよ。ワンコインで手が届く値付けで、ボリューム相応の気軽な1本というところ。
ひとりの登録者に応えるつもりが、気づけばチェコのスタジオや現役選手まで巻き込む輪になっていた。8月31日、その球拾いがどんな体験になるのか、自分の手で確かめられるようになる。
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