マニュアルを引いて“正解”を書き込む──ホラーシム『佳宝ホットライン 真夜中の管理人』がSteamで始動
深夜の当直室。机の上にあるのは赤い固定電話と、ぶ厚い『夜間管理員マニュアル』と、なぜか点きっぱなしのブラウン管テレビ。壁には「福」の紙が貼られ、隣には魔法瓶と、「忠于职守 服务业主」と刷られたホーローのマグ。Bad Tape Studiosが開発・販売を手がける一人称ホラーシミュレーション『佳宝ホットライン 真夜中の管理人』が、Steamストアページを公開しているにゃ。
プレイヤーは佳宝ビルの夜勤管理人。ストアの案内文いわく、仕事は「電話を取り、手引きを確認し、書類に記入するだけ」。……その言い方がすでに怪しい。
電話は、長く鳴らせない



かかってくるのは、水漏れの修理依頼のような当たり前の用件だけではない。奇妙な物音を訴える人、そして「家の中に、いるはずのない誰かが増えた」と言う人。
通話を最後まで聞き、マニュアルを引き、もっともあり得る答えを見つけ出す──というのが基本の流れ。通話中の画面には「水漏れの場所は?」「水の状態は?」といった質問の選択肢が浮かび、こちらから聞き出していく作りになっている。ストアには「電話を、あまり長く鳴らしたままにしてはいけない」という一文も添えられていて、応答までの時間そのものが何かに関わっていそうな気配がある。
「上客」と「偽の母」が載っている手引き
この作品の面白さが一番よく分かるのが、マニュアルと記録票を並べた画面だ。公開スクリーンショットには実際の項目が読める形で写っている。
たとえば「上客」の頁。常に笑顔の集団で現れ、無言で代金を置いて去る客で、住人や来客を惹きつけて連れ去る危険がある。対処法は「特売の店内放送を流す」──彼らは割引商品を買わないから、それで速やかに退去するという理屈にゃ。
もう一つの「偽の母」は、家に見知らぬ女が現れ、食事や洗濯をしてくれるうちに本物の母親だと思い込んでしまう、という話。対処法は扉を施錠して音楽を最大音量で流すこと、そして謝ってはいけないこと。怪異ごとに「事例」「危険性」「対処法」が整理されていて、読み物としてすでに相当に不穏だ。
右側の記録票には入居者名・号室・ご用件・対応案・捺印欄が並ぶ。用件の欄に「無数の黒い人影」「異様な笑い声」と万年筆で書き込んでいく手続きの生々しさが、この題材によく効いている。
テレビと、扉だらけの夢

宿直室のテレビは暇つぶしの道具でもある。ニュース、アニメ、深夜の広告が流れ、そこに「存在するはずのない番組」が混ざる。ストアの文章は「あなたはテレビを見ている。テレビもまた、あなたを見ている」と締めていて、映像がただの背景ではないことを示唆している。
そして眠ったあと。夢の中には無数の扉が浮かび、話しかけてくる扉もあれば、どこへ通じているのか分からない扉もあるという。ドット感を強く残した画づくりと、通路の奥で光るネオンの枠。当直室のじめっとした生活感と、この夢の抽象度の落差がなかなか強烈にゃ。
発売時期は未定、音声だけは日本語が付かない
Steamでの発売日表記は「発表予定」で、時期も価格もまだ出ていない。対応言語は要注意で、日本語はインターフェイスと字幕のみ。音声(フルオーディオ)が用意されているのは簡体字中国語と繁体字中国語だけで、日本語・英語・韓国語には付かない。電話の声を聞き取る作品だけに、この差は事前に把握しておきたいところ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 佳宝ホットライン 真夜中の管理人(Kaibao Hotline: Midnight Caretaker) |
| 開発・販売 | Bad Tape Studios |
| 対応プラットフォーム | PC(Windows 10 64bit) |
| 発売日 | 未定(Steam表記は「発表予定」) |
| ジャンル | シミュレーション/サイコロジカルホラー |
| プレイ人数 | シングルプレイヤー |
| 音声 | 簡体字中国語・繁体字中国語 |
| テキスト・UI | 日本語/英語/簡体字中国語/繁体字中国語/韓国語 |
| 必要環境 | GTX 750(推奨 GTX 1050)、メモリ4GB、ストレージ1GB |
マルチエンディングであることも明言されている。電話一本ごとの判断が、どこまで結末を分けるのか。ウィッシュリストに入れて待つには十分すぎる材料が揃っている一作だ。
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