『Dear Passengers』発表。機体はボロ、貨物は違法、安全は「優先度トップ3」の協力フライトシム
飛行機のドアが開いて、機長が空へ吸い出されていく。乗客はまだシートベルトのサインを見ている。……操縦席、今だれもいないのでは?
そんな地獄みたいな一場面から始まるのが、開発元FLEXUSが発表した協力アクション『Dear Passengers』にゃ。Steamストアページが公開され、2026年内にPC向けで配信予定となっている。
「安全は当社の優先事項トップ3です」


この作品の性格は、公式が自分で名乗っているコピーがいちばん早い。
Play in co-op as the crew of the world's worst airline. Your plane is falling apart, your cargo is illegal, and passenger safety barely makes the list.
(協力プレイで、世界最悪の航空会社のクルーになろう。機体はバラバラに壊れかけ、貨物は違法、乗客の安全はかろうじてリストに載っている程度だ)
出典:Steam ストアページ
ストアページ内の見出しも「WELCOME TO BUDGET PREMIUM!(ようこそ、格安プレミアムへ)」「SAFETY IS OUR TOP-3 PRIORITY!(安全は当社の優先事項トップ3です)」といった調子で、自虐のテンションが最初から振り切れている。トップ3という言い回しで既に2つ負けているのが、この会社の全てにゃ。


操縦する人と、客室で走り回る人
役割は大きく2つに分かれる。誰かひとりが操縦桿を握って機体を目的地へ運び、残りのクルーは客室側を維持する係だ。公式によれば、客室組の仕事は乗客への食事とドリンクの提供、機内の秩序の維持、そして問題が大惨事になる前に処理すること。
乗客の期待は「食事」「飲み物」「揺れない飛行」の3点セット。これに対する公式の返答が「せめて2つは提供できるよう努めよう」なので、達成が前提にされていない。


儲かる便ほど、面倒を連れてくる
離陸前には、どの乗客とどの貨物を積むかを自分たちで選ぶ。ここが単なるドタバタで終わらなそうな部分にゃ。
公式の説明では、報酬が大きいほどトラブルも大きくなる。扱いの難しい貨物があり、機嫌を取りにくい乗客がいて、地上にいる時点でもう狂い始めている便もある。稼ぎたい欲と、無事に着きたい理性を、離陸前のロード画面で秤にかけるわけだ。トラブルの発生源は機内のどこからでも起こりうるとされていて、「すべての解決策が上品とは限らないし、すべての乗客が最後まで機内に残るとも限らない」とまで書かれている。降ろすんだ、そういう方法で。


乱気流が来ると、固定していない物が全部飛ぶ
そして天候。乱気流とエアポケットが、乗客も手荷物も、固定されていないものを片っ端から客室内でぶん投げる。ひとつ操縦を誤れば、機内まるごとが混沌に変わる、というのが公式の言い分にゃ。
物理演算ベースの協力ゲームで「揺れ」を主役級のギミックに据えたのは、なかなか意地が悪くて良い。操縦役の腕が、そのまま客室組の地獄の深さになる構造だからにゃ。操縦席で「ちょっと下げるね」と言った直後に、後ろから絶叫が飛んでくるやつ。

作っているのは、キーウのスマホゲー3億DLスタジオ
開発・販売はどちらもFLEXUS。ここが個人的にいちばん引っかかった点にゃ。
公式サイトによれば、FLEXUSは2020年設立、キーウ拠点の70人規模のスタジオで、「300M+ downloads across 150+ countries(150か国以上で3億以上のダウンロード)」を掲げている。これまで並べてきたのはTower Craft、Dye Hard、Mow My Lawn、Train Minerといったモバイルタイトル群で、公式サイトの作品一覧のリンク先もGoogle PlayとApp Storeだ。現時点で公式サイトに『Dear Passengers』の記載はなく、これがSteam向けの新機軸ということになる。
スマホのカジュアルゲームで数字を積んできたチームが、物理演算のオンラインコープでPCに出てくる。畑としてはかなりの飛び方にゃ。


GTX 1060で足りる。ただし日本語は無い
Steamに掲載されている情報を整理しておく。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信 | 2026年予定(PC / Steam) |
| 開発・販売 | FLEXUS |
| ジャンル | アクション、アドベンチャー、インディー |
| モード | シングルプレイ、マルチプレイ、Co-op、オンラインCo-op |
| 対応言語 | 英語のみ(インターフェイス・音声・字幕) |
| 最低OS | Windows 10 64bit |
| 最低GPU | GeForce GTX 1060 / Radeon RX 6600 XT |
| 最低メモリ | 8GB |
| 容量 | 4GB |
執筆時点で価格と具体的な発売日は未掲載、体験版のボタンも出ていない。日本語対応が無いのは残念だけれど、ジェスチャーと悲鳴で会話が成立するタイプのゲームでもあるので、致命傷にはなりにくいかもしれないにゃ。
シングルプレイも項目としては用意されているものの、「機長が外に飛んでいったあとの操縦席」を誰が埋めるのかを考えると、これは間違いなく人数を揃えて遊ぶ側のゲームにゃ。友達4人で厨房やら宇宙船やらを壊してきた層に、次の職場としてちょうどいい。要注目は、離陸前の「積荷選び」がどこまで戦略として機能するか。ここが効いていれば、ただのドタバタで終わらない一本になる。
関連記事
最大4人でボロいイカダで激流下り!物理演算カオス協力ゲー『Sponge Break』発表、あなたはスポンジ
台所のシンクから逃げ出したスポンジになって、今にも崩れそうなイカダで激流を下る1〜4人協力アクション『Sponge Break』がSteamで発表。近接ボイチャと荒ぶる物理演算で悲鳴必至にゃ。
位置が入れ替わる非対称協力ホラー『Bound By A Curse』、無料デモが7月15日配信へ
2人のプレイヤーが呪いで位置を入れ替えながら脱出を目指す非対称協力ホラー『Bound By A Curse』。ソロ開発のMaiku Devが、PC向けデモを7月15日より配信すると告知した。
1台の車に最大4人でギュウギュウ乗り込む探検サバイバル『Taillights』発表―毎日変わるマップを攻略
友達とオンボロ車をだましだまし走らせる、物理演算コープ・サバイバル『Taillights』がSteamで発表。最大4人で毎日変化するマップに挑む、道中こそが目的の一本。

コメント (0)
最初のひとことをどうぞ🐈
感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。