潜入FPS『DEFICIT』の新体験版がSteamで配信開始、兄弟2人が作るイマーシブシム
ハンマーで殴り、レンガを投げ、しまいには交通コーンまで振り回す。まともな装備を持ち込めない潜入だから、現地で拾ったものが片っ端から武器になる。
一人称アクション『DEFICIT』の新しい体験版が、9月4日にSteamで無料公開された。手がけているのはITEM42という2人だけのスタジオで、開発元は自ら「まったく新しい、規模を広げた体験版」と案内している(Steamの開発元アナウンス)。体験版そのものは2025年6月からSteamに置かれていたので、同じ入り口の中身が今回入れ替わった形になるにゃ。
舞台はハドリアヌスの長城、盗み出すのは「Interpolator」
プレイヤーはCarrieという企業スパイのフリーランス。The Client——「依頼主」としか名乗らない人物から仕事を受け、Project Sidereal の研究区画に眠る Interpolator という装置を持ち出すよう命じられる。現実そのものをずらす代物、というのが公式の説明だね。
その研究施設が埋め込まれている場所が変わっている。ハドリアヌスの長城、ノーサンバーランドの北の端。開発元の言い方を借りると、鋼とコンクリートと引き金の軽い警備班でできた多層の殻。中を巡回しているのは Oversight Taskforce と呼ばれる組織で、こちらの侵入を全力で止めにかかってくる。
ローマ時代の遺構をそのまま巨大な軍事施設に化けさせる、という発想がまず面白い。舞台の空気は公式サイトでも「コンクリートの迷路と、宙ぶらりんの区画」と表現されていて、光沢のあるSFというより湿ったコンクリートの匂いがするほうの近未来だと思う。

ストアページによると、体験版は約1時間ぶんの区画を切り出したもの。ここで主要な登場人物と敵の顔ぶれが一通り出てくる。ダウンロードに必要な空き容量は6GBと案内されている。
武器の並びがとにかく雑多にゃ。公式サイトが挙げているのはハンマー、ドライバー、ペンキ缶、レンガ、警棒、拳銃、サブマシンガン。開発元のアナウンスではさらにサイレンサー付き拳銃、剥き出しの配線、トリップマイン、そして交通コーンまで名前が挙がっている。寄せ集めのDIY武器と3Dプリント製の銃、という説明も体験版のページに書かれていた。
つまり装備を整えて挑む種類のゲームではない。施設の側が持っている道具と機械を奪って、そのまま持ち主に向け直すのが基本の考え方になる。敵の構成も三層で、人間の Oversight Officer、Servitor と呼ばれる機械、それに空を飛ぶUAV。それぞれ動き方も詰め方も違う。


Steamのタグには Immersive Sim が並ぶ一方、ストアの売り文句は「混沌とした近距離戦闘」「創造的に致死的な道具」「環境そのものを使った破壊」。静かに影を渡るより、手が届く距離で殴り合うほうに重心がある作りみたいだね。なお、Steamのコンテンツ警告には暴力と流血の描写が頻繁に含まれる旨が明記されている。
移動まわりに一つ変わった仕掛けがある。特定の面に対してワームホールを開き、「frontier realities」——別の現実の側へ抜けることで、そのままでは通れない場所を越えられる。開発元は Threshold(閾)という言葉でこの領域を呼んでいる。
正面から撃ち合う、気づかれずに抜ける、施設の設備を乗っ取って警備に向ける。そこに「一度別の現実へ逃がしてから回り込む」という選択肢が乗るわけで、同じ区画でも通り方がかなり変わってくることになりそう。


対応言語は英語のみ、発売日と価格の欄はまだ空
製品版のほうは、Steamの発売日欄が「近日登場」のまま。価格も掲示されていない。対応プラットフォームはWindowsの64bit環境だけで、MacやLinuxの記載はない。
言語対応は注意が必要で、インターフェース・音声・字幕のいずれも英語のみ。日本語は字幕もUIも用意されていない。テキスト量の多いジャンルではないとはいえ、依頼主とのやり取りや施設内の情報を追うタイプの作りなので、そこは把握してから触りたいところ。
最低動作環境はこの通り。
| 項目 | 最低動作環境 |
|---|---|
| OS | Windows 10(64bit) |
| CPU | Core i5-8600 / Ryzen 7 1700 |
| メモリ | 8GB |
| グラフィック | RTX 2060 / Radeon RX 5700 |
| DirectX | Version 12 |
| ストレージ | 12GB |
推奨環境の欄には「64bitのプロセッサとOSが必要」としか書かれておらず、数値はまだ埋まっていない。機能面はシングルプレイ専用で、実績・コントローラー完全対応・Steam Cloud・ファミリーシェアリングに対応する。
ITEM42はReganとBretのWare兄弟による2人組。前作にあたる協力型FPS『PERISH』は2023年2月にHandyGamesから発売されていて、最大4人で煉獄を戦い抜く内容だった。あちらは日本語にも対応していたので、今回英語のみになっているのは、パブリッシャーが付いていない現状の裏返しかもしれない。
そして開発元は、体験版のアナウンスをこう締めている。良かった点、良くなかった点、次に見たいもの——その3つを聞かせてほしい、と。2人で作る規模のゲームで、しかも作りが複雑だと自分たちで認めたうえでの呼びかけにゃ。発売日の欄が埋まるより先に、体験版のほうが二度目の顔を持つことになった。
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