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帽子で2Dと3Dを切り替えるアクション『Dodo Duckie』配信開始 ― PC/Xboxで、PS5とSwitchは年内予定

投稿: 2026/08/02by 編集部6分で読めます
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平和な農場に、ある日とんでもない光が降ってきた。気づけばニワトリの友だちは宇宙人に連れ去られ、農場に残されたのは一羽のアヒル、ドド。羽をふるふる震わせながら、彼はカピバラの魔法帽子をかぶってバグだらけの異世界へ飛び込んでいく——インド・ハイデラバードの小さなスタジオBornMonkieが手がけた『Dodo Duckie』が、7月23日にPCとXbox Series X|S向けに配信を開始したにゃ。日本語のタイトルは『ドドダックの冒険〜オリタタミワールド』。この「オリタタミ」がそのまま遊びの核になっている。

Steamでは通常価格1,680円のところ、8月6日までの発売記念セールで20%オフの1,344円。Epic Games Store、Microsoft Storeでも配信中で、Xbox版は11.99ドル、Xbox Play Anywhereに対応しているのでXbox Series X|SとWindows PCのどちらか片方を買えば両方で遊べる。PS5版とNintendo Switch版も年内に予定されていると発表されているにゃ。

「3D空間からジャンプを丸ごと取り除いた」

このゲームで押すことになるのは、視点切り替えのボタンだ。カピバラのカピーから借りた帽子をかぶったドドは、横スクロールの2Dと、ぐるりと見渡せる3Dパノラマを好きなタイミングで入れ替えられる。3Dで見れば断崖絶壁にしか見えない場所も、2Dに畳んだ瞬間に地続きの一本道に化ける。逆に2Dでは壁にしか見えなかった隙間が、視点を起こすと奥へ抜ける通路だったりする。「行き止まり? 視点を切り替えてみろ」というのがストアページの言い分で、隠し通路も足場も収集物も、だいたいはこの折り畳みの中に隠れている。

面白いのは、この切り替えを成立させるために開発陣がかなり早い段階で下した決断のほうだにゃ。クリエイティブディレクターのSamhith氏はXbox公式サイトに寄せた開発記で、「3D空間からジャンプを丸ごと取り除く」という思い切った設計を初期に選んだと明かしている。プラットフォーマーからジャンプを抜くのは普通なら自殺行為だけれど、高低差の解釈が視点によって変わるこのゲームでは、ジャンプが無いほうが「どこに立てて、どこに立てないか」が澄む。代わりにドドはすいすい滑り、水面をぷかぷか浮かび、ゆらゆら漂う。移動そのものが謎解きの手札になっている作りにゃ。

見た目の統一感も、実は制約から生まれている。アートディレクターのVincent Boichut氏が加入して指摘したのは、予算の都合で一組しか作れないアセットが「3Dで正面から見ても、2Dに潰しても等しく読み取れなければならない」という一点だった。丸みを帯びた輪郭、はっきりした色面、余計なディテールを削いだシルエット。あの可愛さは狙って作られたスタイルというより、可読性を突き詰めた結果に後から付いてきたものらしい。

2019年に生まれた試作が、2025年にようやく形になった

BornMonkieはSamhith氏と、妹でプロデューサーのSamveda氏が中心となって回している小規模なチームだ。もともとは受託の仕事をこなしながら、大規模な企画をパブリッシャーに持ち込んでは断られる日々だったという。そこで出てきた「自分たちだけで最後まで作りきれるものは何か」という問いの答えが、アヒルだった。最初の試作が動いたのが2019年、クライアントワークの合間に少しずつ削り出して、構想が完全な形になったのが2025年。7年近く抱えていた作品ということになるにゃ。

途中でチームの認識をひっくり返したのは、テストプレイヤーの反応だった。当初は視点切り替えこそが最大の売りだと踏んでいたのに、実際には「パズルを理解する前にドドを好きになっていた」。そこから、キャラクターの魅力を入口、パズル設計を留まる理由として組み直したという。ニワトリの群れの中で育ったアヒルが、周りに馴染めない自分をどこかおかしいと思い込んでいる——という導入も、インドの競争的な環境でゲーム開発という進路を選んだ自分たちの実感から出ているとSamhith氏は書いている。セリフに頼らず、アニメーションと体を張ったコメディで感情を運ぶ方針も、そのために選ばれたものだ。

その方針は対応言語の表記にもそのまま出ていて、Steamでは日本語を含む11言語がインターフェースと字幕に対応する一方、フル音声の欄はどの言語にもチェックが入っていない。読ませる文章そのものが少ない作りにゃ。ちなみに専用ボタンを押すとドドが「ガァ!」と鳴く機能があり、ストアページではこれを「宇宙で最もストレス解消できる声」と豪語している。奇妙な星を巡りながら星の光を集め、のんびり屋のカピバラの雑貨屋で交換する、という寄り道も用意されている。実績は25種類。

配信から10日ほど経った現在のSteamユーザーレビューは「非常に好評」。母数はまだ数十件と小さいけれど、98%が好意的という滑り出しになっている。動作環境も軽めで、最低要件はGeForce GTX 960クラス、必要容量7GB。Steam Deckでの動作にも触れられているので、寝転がって遊ぶのにも向いていそうにゃ。

同じく最近PC・家庭用機で動き出した小規模チームの作品としては、タイのBugBlio Studioによる協力ローグライク『LightSup!』も以前取り上げているにゃ。

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「優雅じゃなくても、跳んだなら跳んだことになる」——開発記はそんな一文で締められている。ジャンプを消したゲームの作り手が書く言葉としては、なかなか小憎らしい落とし方だにゃ。

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