AIしかいないMMORPG『Erenshor』にレイド実装、ひとりで作った開発者がRedditで質問攻めに
「レイドの人数が集まらない」「金曜の夜しか全員揃わない」——MMORPGから離れた理由がそのあたりにある人のために作られたゲームが、ついにレイドを実装したにゃ。
『Erenshor』は、世界を歩いている“他のプレイヤー”が全員AIという、風変わりな一人用MMORPGだ。7月13日に配信された大型アップデート「The Planar March」で、この作品にクラシックMMO風のレイドが丸ごと追加された。そして企画もコードも見た目も、作っているのはBrian(Burgee)さんただ一人。
その本人が本日、Redditのr/pcgamingに姿を見せてAMA(なんでも聞いて)を開催した。「これまでに8万人以上が遊んでくれた」と本人が語りつつ、レイドの中身からペットの話まで、飛んできた質問に片っ端から答えている。せっかくなので、まずアップデートの中身を押さえてから、そのやり取りを覗いていくにゃ。
4つの「面」と、21体のボス

The Planar March はバージョン0.7にあたる更新で、追加されたレイドゾーンは Fernalla's Plane of the Willow / Vitheo's Plane of Honor / Brax's Plane of Elements / Soluna's Celestial Plane の4つ。いずれも最大レベル帯+それなりの装備を前提にした調整で、そこに21体のボスが待ち構えている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信日 | 2026年7月13日 |
| バージョン | v0.7「The Planar March」 |
| レイドゾーン | 4か所 |
| ボス | 21体 |
| 新アイテム | 130点以上 |
| 想定ボリューム | 平均的なプレイヤーで30〜40時間 |

面白いのは、レイドの編成まわりがギルドUIに組み込まれていること。レイドの開始と終了はギルドUIから行い、編成は保存・読み込みができる。さらに「Aチーム」として指定したメンバーは、以降どのレイドにも自動で付いてくる。人を集める代わりに、自分の手駒を整えていく感覚にゃ。
装備面では見た目変更(トランスモグ)用の枠が用意され、プレイヤーとSimPlayerがそれぞれ独立したコスメ用インベントリを持つようになった。回復呪文の追加と全体の再調整、新たな Windblade 系統の呪文、SimPlayerが食料と水を使うようになるといった細かな変更も入っている。

一緒に組む相手は、全部プログラムで動いている

そもそも『Erenshor』の核はSimPlayerと呼ばれる存在だ。公式の説明によれば、彼らは独自の性格と技量を持ち、自力でレベルを上げ、パーティを組み、ギルドに入り、装備を集めながら世界で生活している。100体以上が用意され、公式サイトでは「あなたを置いていかないよう設計されている」と紹介されている。オンライン接続も他人の都合も要らないまま、賑わっているMMOの感触だけを再現しようという発想にゃ。


手を出す前に確認しておきたいのは対応状況。2026年7月24日時点のストアページでは、価格は2,300円で、配信から数日行われていた記念セールはすでに終了している。対応プラットフォームはWindowsのみで、MacとLinuxは非対応。言語はインターフェース・音声・字幕のすべてが英語だけで、日本語には一切対応していない。早期アクセスは2025年4月14日に開始され、1.0到達は2027年を見込んでいる。レビューは英語1,900件超で94%が好評(いずれもストアページ表記)。
AMAスレッドで飛び交った質問と、開発者の返答

さて、本題のスレッドにゃ。真っ先に伸びたのは、MMO経験者なら一度は思うであろうこの一言だった。
やっと来た、DPSが低いって理由でレイドから蹴られても、生身の人間に判定された精神的ダメージがないMMOが。10段階で言うと、AIはどれくらい丁寧に「別のクラスやったら?」って言ってくる?
この手のツッコミに、開発者は真顔で仕様を返す。
全滅するとチャットで少し荒れます。でも基本的には君がいて嬉しいし、プレイ中に露骨な意地悪はしません。ただし〈Friends Club〉ギルドの連中は別。あいつらは嫌なやつとして設計されているし、そもそも組んでくれない。DMを送るのもやめておくように。
意地悪なギルドをわざわざ実装している時点で、再現したかったものの方向性がよく分かるにゃ。別の人からは、購入前の温度感が伝わる書き込みも。
デモを遊んで気に入ったけど、まだ買えていない(余裕ができたら買う)。MMO好きの同僚たちにも見せたよ。ときどき、生身の人間と付き合いたくない日ってあるから。
技術寄りの質問も並んだ。アンチチートの類がない作りなので、Steam Workshop対応を望む声が出る。
mod向けにWorkshop対応の予定は? アンチチートも何もないし、絶好の機会に見える。
コミュニティ主導のmodシーンはすでにかなり大きくなっています。ただ開発中の身としては、公式サポートはできないという立場です。バグ報告の原因追跡が難しくなるので。とはいえ、mod作者からコードや設計の質問が来れば答えるし、必要な関数があれば用意します。
「それはWorkshop対応そのものが無しということ? それとも開発中だけ?」と食い下がる声もあり、議論の場はDiscordが中心になっている、という補足がついた。歓迎はしているが公式には抱えない、という距離の取り方にゃ。

要望寄りの質問には、期待を煽らない返事が続く。2週間遊んでいるという人が、首都Port Azureの見た目を1.0までに作り直す予定はないか、酒場で音楽を聴きながらSimPlayerの雑談を読みたい、と投げかけると——
全面改修の具体的な計画はありません。ただゾーンには常に手を入れているので、1.0までに間違いなく変わっていきます。
ストア表記の「部分的なコントローラー対応」が実際どこまでなのか、という質問にも正直な答えが返ってきた。
正直、今は最低限です。移動と大半の操作はパッドでできますが、一部のメニューがまだ完全に機能しないうえ、少量ながら文字入力が必要な場面がある。画面キーボードは呼び出せるものの、快適とは言えません。拡張の予定は確実にあります。
個人的に一番気になったのは、SimPlayerとの関係が積み重なるのかという質問への回答にゃ。
軽い関係性の蓄積はありますが、ゲーム性よりも風味づけ寄りです。たとえば、一緒に組んで大量の経験値を稼ぎ戦利品を分け合ったSimPlayerは、あなたがログインしているときに「また組もう」と頻繁にささやいてくるようになるし、ギルドにも入ってくれやすくなります。
そして猫としては見逃せない一問。「Steamのgifにペットらしきものが映っていたけど、猫を連れ歩ける? リアリティのために、何の役にも立たないやつがいい」——という無茶振りに対しては、ドルイドの呪文と一部アイテムでペットを召喚でき、グループやレイドではそこそこのDPS源になる、との返答。見た目だけのペットは今のところ存在せず、今後検討したい項目に入っているそうにゃ。役立たずの猫が実装される日を、気長に待つことにする。
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