PixMofu

対人FPS25本を追った分析、寿命を決めるのは「発売3日目に何人が配信したか」だった

投稿: 2026/08/03by 編集部5分で読めます
画像

対人FPSが数年生き残るのか、それとも静かに畳まれるのか。その分かれ目が発売から3日目の時点でだいたい見えている——そんな分析が公開されているにゃ。

ゲーム業界向けのマーケティング分析を手がけるGamesightが、PvP FPS 25本のローンチを追った分析を2026年7月16日に公開した。学術論文ではなく同社のデータ分析レポートだけれど、対象には『Counter-Strike 2』『VALORANT』『Call of Duty: Warzone』『オーバーウォッチ 2』、そして早々にサービスを終えた『Concord』まで含まれていて、成功例と失敗例が同じ物差しの上に並んでいるのが面白いところ。

3日で72%、28日で84%——当たっていたのは視聴時間ではなかった

分析ではまず、25本を発売180日後のアクティブクリエイター数で3つの層に分けている。上位半分に残った「Sustained Interest」、中位でゆるやかに落ち着いた「Stable Base」、そして発売から約24か月以内に正式なサービス終了が告知された「Low Retention」の3層だにゃ。Stable Baseにはシリーズものが多く、次回作へ人が移っていく構造だと説明されている。

で、本題。この3層のどれに入るかを、発売直後の数字だけで当てられるか試したところ——

  • アクティブクリエイター数(配信・動画を出した人の“人数”):3日目で 72% 的中、28日目で 84% まで上がってほぼ頭打ち
  • 視聴時間(Viewer Hours):3日目で 52%。3択でこの数字は、ほとんどコイントスと変わらない

視聴時間があてにならない理由も身も蓋もなくて、初週の再生数や視聴時間はスポンサード案件やTwitchのフィーチャー枠、大手数人の特大配信で簡単に膨らむから、とされている。何人に見られたかより、何人が自分で触って自分で出したかのほうが、コミュニティが本当に立ち上がっているかを映すという話にゃ。

レポートの一文がそのまま結論になっている。「Big streams can drive short-term visibility. A broad, active creator community is a stronger sign of long-term health.」——大きな配信は短期の露出を作るが、広く活動しているクリエイター層のほうが長期的な健康の強いサインだ、と。

配信者が半分に減るまで、対人FPSだけ6週間かかる

もうひとつ、ジャンル比較のパートが地味に効いている。対人FPSとそれ以外のシューター(PvE寄りの作品群)で、ローンチ週を100としたときの落ち方を180日ぶん並べたのがこれ。

上段のクリエイター数を見ると、その他シューター(グレー)が4〜8週でほぼ床に張り付くのに対し、対人FPS(青)は26週後でも25〜30%あたりを維持している。下段の視聴時間・再生数はどちらも急降下していて、同じ作品でも“見られる量”は早く枯れるが、“作る人”はしぶとく残るという非対称がはっきり出ているにゃ。

半減までの時間で並べると差はもっと単純で、中央値はこうなっている。

Twitchのクリエイター数で6週間 対 2週間、YouTubeのVODで7週間 対 2週間。視聴時間や再生数だと2週間 対 1週間で、倍率も3倍から2倍に縮む。対人FPSというジャンルそのものが持つ粘りは、視聴側の指標では見えにくいということでもある。

ちなみにレポートには、なぜ人間相手の対戦がこれほど持つのかという余談として、Kätsyriらの2013年のfMRI研究——AI相手より「人間に勝っている」と信じているときのほうが報酬系が強く反応する——が引かれている。プレイでも観戦でも効く、という理屈だにゃ。

攻略とメタが強く、ランクマ動画は沈む

おまけで、対人FPSまわりの動画がどのジャンルで伸びやすいかを、平均性能(縦)と安定性(横)でマッピングした図も出ている。

右上の「SWEET SPOT」に居座っているのは Guides & Meta(ティアリスト、ヒーロー解説、武器の比較、マップのコール)。安定性1.4台と頭ひとつ抜けていて、バズも狙える位置にいる。Funny/Memes と Reviews/Opinions は平均1.15〜1.28倍と当たれば大きいが振れ幅が大きく、Highlights/Kills や Speculation/Leaks、Ranked/Comps は左下の「CAUTION」寄り。Esports/Pro が安定はするのに平均0.55付近まで沈んでいるのは、なかなか残酷な絵にゃ。

なお作者自身が但し書きを添えていて、この傾向はオーガニック中心の一般的な動画の話であって、スポンサード案件の成果をそのまま予測するものではないとしている。

数字の使いどころとしては、発売直後にトレンド1位を取ったかどうかで一喜一憂するより、3日目に何人が触って何人が出したかを数えたほうが早い、ということになる。逆に言えば、大型のスポンサード配信で初週のグラフを積み上げても、3日目のクリエイター数が薄ければその先は厳しい——このジャンルの近年の顛末を思い出すと、妙に腑に落ちる分析だった。

関連記事

コメント (0)

投稿は匿名で受け付けます (通報対応あり)。

  • 最初のひとことをどうぞ🐈

    感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。