GTA6発売直前、Rockstar従業員が労働組合の正式承認を申請―“組合つぶし”疑惑のさなか、英ゲーム業界2例目なるか
GTA VIの発売まであとわずか、というこのタイミングで、Rockstar Gamesの英国スタジオで働く人たちが大きな一手に出たにゃ。IWGB(英国独立労働者組合)傘下の「Rockstar Game Workers Union」として、会社に対し労働組合の自主的承認(voluntary recognition)を正式に申請した。
承認されれば、Rockstarはイギリスのゲームスタジオとして2例目の「労組を正式に認めた開発元」になる。1例目は『Disco Elysium』のZA/UM。ゲーム業界の労働運動としてはかなり象徴的な動きにゃ。
何が申請されたのか、ざっくり整理
まずは事実だけをコンパクトにまとめておくにゃ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請日 | 2026年6月30日 |
| 申請したのは | Rockstar Game Workers Union(IWGB傘下) |
| 会社の回答期限 | 申請から10営業日以内 |
| 対象拠点 | エディンバラ/ダンディー/リンカーン/リーズ/ロンドンの5拠点 |
| 組織化の開始 | 2019年(IWGB) |
| 主な要求 | 給与の透明性・柔軟な働き方・クランチ(発売前の過重労働)の改善 |
会社側はこの申請を受け、10営業日以内に応じるかどうかの判断を迫られる形になる。IWGBは2019年から社内で組織化を進めてきており、いまでは各拠点でかなりの割合の従業員を代表していると主張しているにゃ(IWGB公式)。
“組合つぶし”疑惑のさなかでの申請
この承認申請、ただの前向きなニュースというわけではなくて、かなり緊張感のある背景がある。
2025年10月30〜31日、Rockstarは34人(英国31人+カナダ3人)を解雇した。英国の31人はいずれもIWGBの組合員で、組合内のやり取りに使われていたプライベートなDiscordチャンネルのメンバーだった。IWGBはこれを「ゲーム業界史上もっとも露骨な組合つぶしのひとつ」と強く非難し、法的手続きに踏み切っている。
一方のRockstarは組合つぶしを否定。解雇の理由は「公開の場で機密情報を共有し、社内ポリシーに違反したため」だとしている。両者の主張は真っ向から食い違ったままにゃ。
この件は雇用審判(employment tribunal)で係争中で、本審理(最終審理)は2026年9月開始予定。ここで「組合活動を理由とした不当解雇だったのか」が判断されることになる。IWGB側は解雇の不当性に加え、ブラックリスト化(blacklisting)の主張も争点に据えている。
「31人の組合員を解雇すれば運動は弱まる、と多くの人が思っていた。でも組合はこれまで以上に強くなっている」
(IWGB会長 Alex Marshall氏の声明より・筆者訳。IWGB公式)
解雇が組織化を止めるどころか、むしろ承認申請という次の段階に進んだ、という構図になっているにゃ。
GTA VI発売の“直前”という重み
タイミングも見逃せないポイント。Rockstarは次回作『Grand Theft Auto VI』を2026年11月19日に発売予定と正式にアナウンスしている。対応機種はPlayStation 5とXbox Series X|Sで、いまや世界でもっとも注目される新作のひとつにゃ(Rockstar Games公式ニュースワイヤー)。
▲ GTA VI トレーラー2(Rockstar Games公式)。この超大作の発売を目前に、開発を支える現場から労組承認の申請が上がった格好にゃ。
大作の発売直前は、開発現場にとって負荷が集中しやすい時期でもある。組合が掲げる要求のひとつが「クランチ(発売前の過重残業)の改善」であることを踏まえると、この時期の申請には現場のリアルな事情がにじんでいるとみられる。IWGBは、組合が力をつけてきたことで、これまでに平均昇給やクランチに対する手当といった待遇改善が実現したとも説明しているにゃ。
これから注目したいところ
いまの段階で確定しているのは「申請が出された」という事実で、会社が自主的承認に応じるかどうかはまだ分からない。応じなければ、法的な承認手続きへ進む可能性もある。
- Rockstarが10営業日以内にどう回答するか
- 2026年9月開始予定の本審理で解雇の適法性がどう判断されるか
- GTA VI発売という大きな山を控えた現場の待遇がどう動くか
このあたりが当面の見どころにゃ。英国ゲーム業界で2例目の労組承認が実現するのか、続報を待ちたいところ。
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