『Hell Maiden』早期アクセス開始 ― 12分で1周する地獄のデッキ構築、OP主題歌はMili書き下ろし
ダンテ・アリギエーリの『神曲』は、地獄と煉獄を抜けて天国にたどり着いたところで幕を閉じる。ポルトガルのインディースタジオAstralShiftの新作『Hell Maiden』は、その続きから始まるにゃ。天国に到達したはずのダンテが、記憶を失って地獄に落とされている——というところがスタート地点だ。
本日7月16日、Steamで早期アクセス版の配信が始まる(記事執筆時点ではストアページにアンロックまでのカウントダウンが表示されている状態)。

天国から落ちたダンテが、もう一度よじ登る



ジャンルは弾幕サバイバル系のデッキ構築ローグライト。いわゆる“ヴァンサバ系”に、カードによる構築要素を重ねた作りになっている。ダンテは少女の姿で描かれ、彼女を導くのはおなじみウェルギリウス。英語版のキャストはダンテ役にDiana Garnet、ウェルギリウスとベアトリーチェの二役をPhoebe Chanが務める。


武器カード1枚に、改造カードは3枚まで
構築の中身がなかなか細かい。デッキのスロットは4つで、ひとつのスロットには武器カードを1枚と、それを弄る改造カードを最大3枚まで挿せる。改造カードは性能を伸ばすもの、効果を足すもの、複数の恩恵をまとめて持つ「奇跡」、見返りと引き換えに欠点を背負う「呪い」、隣のスロットにまで影響する「拡散」の5種類。同じスロットの中でもカードの並び順が噛み合いを変えるので、どこに何を置くかで悩むタイプの設計にゃ。
早期アクセス時点で武器は4種、集められる能力は40種類以上が用意されている。


火の輪は、時間とともに縮んでくる
1回の挑戦はおよそ12分。見下ろし視点で、攻撃はマウスの向きに合わせて自動で出る。回避はスペースキーのダッシュ。そして時間が経つほどフィールドを囲む炎の輪が狭まっていき、逃げ場が削られていく。
レベルアップのたびに武器カード・改造カード・護符の3択が出て、護符は銅・銀・金のレア度で一時的に能力を底上げしてくれる。道中に点在する聖なる神殿に立ち寄ると一時的な加護がもらえたり、ウェルギリウスやホラティウスといった古の詩人を救出して仲間にすると、新しい種類のカードが解禁されたりする。

Miliの「Not my Paradiso」と、90年代アニメへの目配せ
OP主題歌はMiliの完全書き下ろし「Not my Paradiso」。作詞・作曲・歌唱までMiliが手掛けている。『崩壊:スターレイル』『Limbus Company』『ENDER LILIES』などで知られる面々の曲が、そのままゲーム内のミュージックビデオとして流れる形にゃ。
映像はAstralShiftがディレクションし、Studio RosatriumのJetoが監修。90年代後半から2000年代前半の日本のアニメへのオマージュとして作られていて、『ローゼンメイデン』『HELLSING』『D.Gray-man』『魔術士オーフェン』あたりが引き合いに出されている。世代直撃の人はまず映像から観てほしい。
ダンテの声は、日本語では聞けない
ここは分けて書いておく必要があるにゃ。「フルボイス」と紹介されることが多い本作だけど、Steamの対応言語表でフルオーディオに丸が付いているのは英語だけ。日本語はインターフェースと字幕までで、音声は英語で聞くことになる。
| 言語 | インターフェース | フルオーディオ | 字幕 |
|---|---|---|---|
| 日本語 | ○ | — | ○ |
| 英語 | ○ | ○ | ○ |
| 簡体字・繁体字・韓国語・スペイン語・ポルトガル語(ブラジル/ポルトガル) | ○ | — | ○ |
対応OSはWindows 10以降の64bitのみで、MacとLinuxの記載はない。必要スペックは最低がGTX 970/RX 570/Intel Iris Xe相当に4コア2.5GHz以上、メモリ8GB、ストレージ4GB。推奨でもGTX 1070にメモリ16GBと、かなり軽めだ。
9つの圏のうち、まず2つ
早期アクセス版で潜れるのは地獄の圏9つのうち2つ——辺獄(リンボ)と愛欲の圏まで。それぞれに固有のボスが待ち、辺獄の詩人4人が仲間になる。残る7圏は今後のアップデートで追加され、そのたびに物語も大きく広がっていく予定とのこと。
製品版では全9圏に加えて、詩人・武器・ユニーク攻撃・ボスの追加、サイドクエスト、装備の拡充、そして地獄の果てを見たプレイヤー向けのエンドレスモードまで見据えている。早期アクセスの期間はおよそ1年、あるいはそれ以上。価格は製品版のリリースに向けて引き上げると開発元が明言しているので、気になっているなら早いほど得ではある。


『Little Goody Two Shoes』の開発元にとって、初の早期アクセス
AstralShiftの前作は2023年11月発売のホラーADV『Little Goody Two Shoes』。Steamでは2,465件のレビューで2,349件が好評、レーティングは「圧倒的に好評」を維持している(2026年7月16日時点)。ジャンルこそ大きく違うけれど、濃いアートワークと物語で信頼を積んだスタジオが、初めて早期アクセスという長丁場に踏み出す格好にゃ。
先行公開されていた体験版も、745件のレビューで94%が好評という滑り出しだった。地獄の入口だけは、もう十分に踏み固められているらしい。
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