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Steam発禁の話題作『HORSES』が公式日本語対応─“馬マスク人間”の農場で過ごす白黒サイレント映画ホラー

投稿: 2026/07/06更新: 2026/07/06by 編集部6分で読めます
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「Steamで売ってもらえなかったゲーム」──そんな肩書きで話題をさらったインディーホラー『HORSES(ホーセス)』が、2026年6月16日、ついに公式日本語に対応したにゃ。開発はイタリアのスタジオSanta Ragioneと映像作家アンドレア・ルッコ・ボルレラ。白黒・4:3画面・字幕カード(サイレント映画のインタータイトル)で綴られる、なんとも据わりの悪い一本だ。

ここだけ要点

  • Steam・Epicが配信を拒否、GOG/itch.ioで販売中の"問題作"ホラー
  • 2026年6月16日アップデートで公式日本語を含む多言語に対応(価格は約700円)
  • 白黒サイレント映画風の演出+実写映像、プレイ時間は3〜4時間ほど

"馬マスクの人間"を飼う農場で過ごす14日間

物語の舞台は、人里離れた農場。プレイヤーは青年アンセルモとなって、ここで2週間の住み込み仕事に就く。だが、この農場で「馬」として飼われているのは──馬の被り物をした、裸の人間たちだ。農場主とその一味は彼らを家畜のように扱い、プレイヤーにも水やりのような雑用から、しだいに正気を疑うような"作業"までを求めてくる。

一人称視点で進む本編は、ゲームプレイの合間に実写のカットシーンや不穏なイメージが差し込まれる構成。監督のボルレラはルイス・ブニュエルやヤン・シュヴァンクマイエル、ヨルゴス・ランティモスといったシュルレアリスム/不条理系の映像作家から影響を公言していて、「操作できる悪趣味な白黒短編映画」とでも言うべき手触りにまとまっている。派手に驚かすタイプではなく、じわじわ効いてくる居心地の悪さが本質だ。

公式ローンチトレーラーを観ると、その独特な質感が一番伝わるだろう。音のない画面に字幕がかぶさる、映画的な語り口だ。

そして今回、待望の"公式日本語"へ

これまで本作は英語やイタリア語などでの展開が中心だったが、2026年6月16日のアップデートで日本語を含む複数言語に正式対応。日本語ローカライズは、同スタジオの『Milky Way Prince』『Mediterranea Inferno』も手がけた堀内樹(ラブムー)氏が担当している。字幕カードで物語を読ませるタイプのゲームだけに、母国語で追えるようになった意味は大きい。

価格は約700円(セール時は約600円ほど)と、3〜4時間の体験としては手を出しやすい設定。購入はGOGitch.ioから。GOGでは執筆時点でユーザー評価4.3/5(約825件)と、内容の過激さのわりに好評を集めているのが面白いところにゃ。

項目内容
開発Santa Ragione / Andrea Lucco Borlera
配信日2025年12月2日(日本語対応は2026年6月16日)
対応PC(GOG / itch.io / Humble)
価格約700円
プレイ時間3〜4時間ほど
演出白黒・4:3・サイレント映画風+実写

Steamは拒み、GOGは受け入れた

本作が"話題沸騰"したのは、その表現だけが理由ではない。配信直前になって、Steamが本作の販売を拒否。開発元によれば、Valveは「未成年者が関わる性的表現を描いているように見える」という趣旨の判断を示し、修正版の再審査や具体的な指摘には応じなかったという(開発元の公式説明ページより)。さらに発売直前にはEpic Games Storeも配信を見送り、Humbleも一時取り下げと、大手ストアが相次いで距離を置く事態になった。

一方で、GOGは本作に"居場所"を与えた側だ。プラットフォームが「何を売れて、何を売れないか」を決め始めるのは滑りやすい坂だ、という趣旨のコメントを添えて、堂々と取り扱いを続けている。

結果として、締め出されたはずの『HORSES』はGOGやitch.ioの新作売上ランキングで上位に。開発元はのちに「3万本ほど売れたが、まだ開発費は回収しきれていない」とも明かしていて、話題の大きさと事業としての厳しさが同居しているのが実情だ。"炎上商法"とは言い切れない、ヒリつく舞台裏である。

「危険な問題作」か、それとも

評価そのものは決して悪くない。批評面ではIGF(Independent Games Festival)2026で革新的な作品に贈られるNuovo賞を受賞していて、映画的な語り口や不条理な世界観は高く評価されている。一方で、扱っているテーマの重さゆえに「もっと踏み込むべき」「演出の割にストーリーの芯が弱い」といった指摘も出ていて、賛否がきれいに割れているのが正直なところ。

前に紹介した一人称PSX風の心理ホラー『FEED IT』のような、"居心地の悪さ"をじっくり味わうインディーが好きなら、この白黒の農場は刺さるかもしれない。

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万人向けでは決してないし、過激表現が苦手なら無理に触る必要はない。それでも「ストアの判断ひとつで、作品が表舞台から消えることの是非」を含めて、いま一度考えさせてくれる一本ではある。気になったら、まずは公式トレーラーで"観る映画"としての手触りを確かめてみてほしい。そのうえで扉を開けるかどうか、判断すればいい。

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