全編手描きのハードSF『Mayak』体験版がSteam配信、現役研究者が一人で描く“素数のカウントダウン”
星から、数字が届く。3571、3559、3557……素数が一つずつ小さくなりながら、規則正しく降ってくる。偶然ではありえないその並びは、どこか遠くの知性が寄こしたカウントダウン――ゼロまで、残り336年。そんな出だしから幕が上がるSFアドベンチャー『Mayak(マヤーク)』の体験版が、Steamで無料配信されたにゃ。
全部、手で描いてある
『Mayak』はビジュアルノベルの要素を持つ横スクロールのアドベンチャー。何より目を引くのは、画面の一枚一枚がすべて手描きだということ。デジタルの油彩で、印象派のような大胆な筆致とノワールの陰影を混ぜた質感が、夜空を見上げる時間の空気をそのまま絵にしている。キャラクターは実在の人物を写真参照にして描かれていて、ふとした表情に妙な生々しさが宿るにゃ。

物語は、ある若い天文学者が謎の信号を追いかけるところから動き出す。こぎつね座の方角から届く素数の連なりを解き、その意味をたどるうちに、人類最初の“ファーストコンタクト”へと近づいていく。分岐や選択肢はなく、結末はひとつ。作者が丁寧に書き切った一本道の物語を、じっくり読ませるタイプの作品だにゃ。
作っているのは、本物の研究者
意外なのは、この重厚なハードSFを、研究機関に勤める現役の研究者がたった一人で手掛けている点。信号がどう宇宙を渡り、どう暗号化され解読されるのか、恒星間航行は現実にありうるのか――現代科学に足をつけた発想で組み立てられている。レムやハインライン、イーガン、ストルガツキー兄弟あたりの古典SFの匂いも、そこかしこに漂うにゃ。

難しい概念は、ときどき挟まるアニメーション解説で噛み砕いて見せてくれる。専門用語で置いてけぼりにせず、絵で腑に落とさせる作り。物語を追ううちに、少しだけ宇宙の仕組みに詳しくなれる感じがいいにゃ。

音まで、贅沢に鳴る
耳に届くものも豪華で、オペラ調のボーカル、弦、サックス、アナログシンセが場面を彩る。静かな夜空の絵に生楽器の温度が乗ると、画面の密度がぐっと上がる。ちなみにこの絵づくりは早くも評価されていて、Winter OTK Games Expo 2025では、ファン投票のアート賞「Starforge Art Star Award」を獲得している。

遊べる環境と、日本語のこと
配信はSteam。Windowsに加えて、macOS、Linux(SteamOS)にも対応する。ストアページ上では、日本語を含む9言語に対応予定と記載されているにゃ。ただし正式リリースは2027年の予定で、いまの対応表記は今後変わる可能性もあるので、そこは頭の隅に置いておきたいところ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Mayak |
| ジャンル | 手描きのSFアドベンチャー(VN要素あり) |
| 対応OS | Windows / macOS / Linux |
| 対応言語 | 日本語ほか計9言語(予定) |
| 体験版 | Steamで無料配信中 |
| 正式版 | 2027年予定 |

一本道で、選択肢もなくて、ただ絵と文章と音で読ませる。派手さで殴りにくる作品ではないけれど、星を見上げて素数を数えるという、地味で静かな入り口に惹かれたなら、触ってみる価値は十分にあるにゃ。まずは無料の体験版で、あの夜空の手触りを確かめてみてほしい。
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