Nexus ModsがUnreal Engine用のMod制作プラグインを公開 ― UE4.26〜5.8対応、投稿まで完結
`.pak` を吐かせるためにコマンドライン引数を並べ、アセットを手でクックして、決められたフォルダ構成に置き直す。Unreal Engine製のゲームでModを作るとき、中身を触る前に必ず通る手順がこれだね。Nexus Modsが9月1日に1.0として公開した「Nexus Mods Author Tools」は、その一連をUnreal Editorの中に畳み込んでしまうプラグインになっている。対応するのはUnreal Engine 4.26から5.8まで。
リポジトリ自体は7月からあって、0.1が7月7日、0.2が7月30日と静かに更新が続いていた。1.0で入った目玉はログイン方式の変更で、これまで必要だったAPIキーの貼り付けをやめ、「Login with Nexus Mods」からブラウザ経由でサインインする形になった。ウィンドウ下部には常にログイン状態とユーザー名、アバターが出るので、どのアカウントで作業しているのかが一目で分かる。
クックもパッケージもアップロードも、エディタから出ずに済む
公式の解説によると、想定されている流れは4手だけ。Modの項目を作る、そのModに含めるプロジェクト内のコンテンツを選ぶ、パッケージする、アップロードする——これで終わり。
面白いのはコンテンツの選び方で、ディスク上のファイルを拾うのではなく、プロジェクトの `Content` フォルダからアセットやフォルダを直接指定する。Primary Asset Labelを選べば、それが管理している中身も自動で展開される。選択範囲の外にあるアセットに依存していた場合、黙って同梱するのではなく外部参照として警告に出し、パッケージからは外す作りになっている。
パッケージを実行すると、プロジェクト自身の設定に従ってクックが走り、`.pak`(Io Storeが有効なら `.pak` と `.utoc`、`.ucas`)が出てくる。処理中もエディタは使えたままで、途中でやめるためのキャンセルボタンも出る。`Game Install Directory` を設定しておけば出来上がったファイルをゲームのインストール先へそのままコピーでき、Steam App IDまで入れておくと配置後にゲームを起動するところまで面倒を見てくれる。
アップロード側は独立していて、押すたびに新しくパッケージしてzipに固め、そのまま送信する。バージョン番号やファイルカテゴリ、ファイル説明もエディタ内の画面から入力できる。
ただし完全な全自動にはまだ届いていない。送信先を特定する `Upload Code` は、Nexus Mods上に作ったModページで一度ファイルをアップロードして初めて発行されるもので、最初の1回だけはサイト側での手作業が残る。この点はNexus Mods自身も制約として認めていて、解決方法を検討中だと書いている。
UE4SS用のテンプレートが最初から入っている

`Use Mod Template` ボタンから作れるテンプレートには、標準で「UE4SS Logic Mod」が用意されている。名前を入れて作成すると `/Game/Mods/{ModName}` に `ModActor` ブループリントが生成され、`PrintToModLoader` のようなUE4SSのModローダー側から呼ばれるイベントや、UE4SSがMod情報として読む変数が最初から並んだ状態になる。
自前のテンプレートも足せる。プロジェクトの `Content` フォルダに `ModTemplates` を作り、その下に任意の名前のサブフォルダを置くと、中身がそのままテンプレートとして扱われる。コピー時は参照パスも新しい場所に合わせて張り直されるので、Unreal標準のAdvanced Copyに近い挙動だね。`TemplateImage`(または `T_TemplateImage`)という名前のアセットだけは例外で、プラグインの一覧に32×32で表示されるアイコン用としてコピー対象から外れる。テンプレート内にPrimary Asset Labelが含まれていた場合は、名前の衝突を避けるためにMod名へ自動でリネームされる。
リリースページに並ぶzipは11個。4.26、4.27、5.0から5.8まで、エンジンのバージョンごとに別ビルドが用意されている。インストールはプロジェクトの `Plugins` フォルダに解凍したフォルダを置くだけで、公式は全エンジン共通の場所ではなくプロジェクト単位での導入を勧めている。
「オープンソース」の中身は、再配布を禁じたライセンス
ソースが公開されている点は間違いないけれど、LICENSEを開くと一般的なオープンソースライセンスではなく、Black Tree Gaming Ltd.(Nexus Modsの運営会社)が書いた独自の「Nexus Mods Author Tools License Version 1.0」が置かれている。GitHubの表示も既存ライセンスに当てはまらない「Other」扱いになっている。
認められているのは、コードを読むこと、クローンやフォーク、個人利用・教育・評価・社内開発の範囲でのビルドと改変、そして本家へ還元するためのフォークの維持とプルリクエストの提出。一方で禁じられているのが、本家の代替や後継としてフォークを公開・宣伝すること、貢献に必要な範囲を超えてバイナリやパッケージを配布すること、そしてこのコードや設計、UI、ワークフローを土台に「Competing Service」を作ることだ。
この「Competing Service」の定義がかなり広く取られていて、Modの作成・アップロード・ホスト・閲覧・配布・インストールを利用者に提供する製品やサービス、あるいはそれを支えるツールやインフラ全般が該当する。商用か非商用か、オープンソースかソース公開かは問わない、とまで書かれている。ライセンス冒頭には「単一の正統版をBlack Tree Gaming Ltd.が維持し続けること」を目的として挙げてあり、透明性と貢献は歓迎しつつ、派生プラットフォームの登場は前もって塞いだ形だね。貢献者は自分の著作権を保持するが、同時に同社へ永続的で取り消し不能の利用許諾を与えることになる。

Nexus Mods側の足元の動きとしては、Steamの統計サイトSteamDBが運営元に加わったのが8月の話。ツールとインフラを自前で抱え込む方向は、この数か月で一段はっきりしてきている。
Donation Pointsが3倍になるのは12月3日まで
公開のタイミングは偶然ではなく、Rebel Wolves開発・バンダイナムコエンターテインメント販売の『The Blood of Dawnwalker』が9月3日に発売されるのに合わせてある。Nexus Modsはこの作品向けのMod支援として、9月3日から12月3日までにアップロードされたModのDonation Pointsを3倍にする施策も同時に打ち出した。Donation Pointsはダウンロード数に応じてMod作者に還元される仕組みで、発売直後の3か月に作者を集めておきたい、という意図がそのまま出ている。



Steam版の価格は通常版が9,790円、Eclipse Editionが10,890円。日本語は字幕での対応で、音声は英語のみ。海外メディアの採点が84点前後で出そろったところまでは、こちらで整理している。
Unreal Engine製の大型RPGは、発売直後にModが伸びるかどうかで数年先の寿命が変わる。Nexus Modsが用意したのは、その入口にある面倒な部分を削る道具と、3か月ぶんの上乗せだ。効いたかどうかが数字で見えるのは、12月3日を過ぎてから。
関連記事
SteamDBがNexus Modsへ、無料継続など5つの約束を明文化―広告の掲載予定はなし
Steamの同時接続者数や価格履歴を追える定番サイトSteamDBが、Modサイトの運営元に加わったにゃ。名前もURLも無料も維持、広告を入れる計画はなし。ゲーム更新でModが壊れる問題への活用も見据えている。
『スカイリム』の所持品がマス目に、重量制を捨てたバイオ風Mod「Grid Inventory」公開
『スカイリム』のインベントリを10×14マスに置き換えるMod「Grid Inventory」がNexus Modsで公開されたにゃ。重さではなく“形と広さ”でアイテムを詰めていく、バイオハザード式のやりくりへ丸ごと作り替える一本だよ。
『バイオRE:4』未使用プロローグ「Chapter 0」を遊べるMod公開 ― アシュリー操作で夜の村を進む
製品版から消えた第0章が、ファンの手で遊べる形に戻ってきたにゃ。携帯のライトを頼りに夜の村を進み、砦で捕まるまでがひと続きの章として本編の前に挿し込まれるよ。

コメント (0)
最初のひとことをどうぞ🐈
感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。