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『九日 ナインソール』は弾いて溜めた氣を敵の体内で爆発させる 道教×サイバーパンクの2Dアクション

投稿: 2026/08/31by tobariware6分で読めます
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敵の刃を弾いても、羿(イー)の刀は相手を削らない。弾きで溜まるのは「氣」というエネルギーで、それを敵の体内に送り込んで、あとから爆発させる。攻撃の手数で押し切るのではなく、相手の攻撃を受け止めた回数が、そのまま火薬の量になる作りだにゃ。

台湾のRed Candle Gamesが2024年5月29日にPC向けに配信した『九日 Nine Sols』は、そういう戦い方を軸に据えた2Dアクションアドベンチャー。開発元は『返校 -Detention-』『還願 Devotion』という2本のホラーで知られたスタジオで、Steamのストアページでは自ら「SEKIROライクの戦闘」と名乗っている。

公式の説明にある戦闘のリズムは「攻撃とパリーが激しく切り替わる」というもの。ガードで凌ぐでも、回避で距離を取るでもなく、相手の攻撃の拍に合わせてボタンを合わせにいく。弾きが決まるたびに氣が積み上がり、それを敵に撃ち込んで起爆する——ここまでが一連の流れになっている。

だから、この作品では防御が攻撃を兼ねている。逃げ回っている限り火力は溜まらないし、溜めた氣は撃ち込む隙を作らないと使えない。相手の攻撃パターンを覚えることが、そのまま与ダメージに直結する構造だね。

移動まわりは2Dアクションの定番が一通り揃っていて、空中ダッシュ、二段ジャンプ、壁登りが使える。ボス戦だけでなく、道中の地形とトラップもこの3つを前提に組まれている。

Steamのユーザータグには「高難易度」「ソウルライク」が並んでいる。ただ、腕前で門前払いする設計にはなっていない。標準の難易度とは別に「ストーリーモード」が用意されていて、こちらでは与えるダメージと受けるダメージの倍率を設定からいじれる。与ダメージは最大で10倍まで、被ダメージは1%まで落とせるので、弾きのタイミングがどうしても合わない人でも話の続きは見に行ける。色覚に配慮した表示モードも入っていて、敵の体力バーや攻撃予兆の赤い閃きが別の色に置き換わる。

新崑崙は、太陽人が建てたシェルターだった

舞台となる新崑崙は、太陽人と呼ばれる地球外生命が建造した巨大なシェルター。そこには「桃花村」と呼ばれる土地が人間に与えられていて、村人たちは古くからの祭事を守り、儀式さえ続けていれば災厄から護られると信じて暮らしている。供物の準備が進むいつもの季節に、長い眠りから英雄・羿が目覚める。そこから、新崑崙を治める九人の王——九日に挑む旅が始まるという筋書きだね。

Red Candle Gamesはこの世界観を「タオパンク(Taopunk)」と呼んでいる。道教の神話や哲学、東洋の伝説に、サイバーパンク寄りのSF要素を混ぜた造語。石造りの祠と配管だらけの施設が同じ画面に同居していて、東洋の意匠とテクノロジーが分かれずに溶けているのが、この作品の見た目のいちばんの特徴になっている。

絵づくりについて、公式はアナログ風の背景と、日本のアニメーション・漫画から影響を受けたカットシーンを挙げている。実際、物語の要所は漫画のコマ割りに近い見せ方で進む。5年をかけて作られた作品で、当時のスタジオはクリエイター12人という規模だったにゃ。

探索型の構造も入っていて、地域ごとに建築の雰囲気が変わり、秘密や宝物が隠されている。NPCとのやり取りやサブクエストを通じて装備を強化していく要素もあるので、九人の王に真正面から挑む前に、寄り道でどれだけ手札を増やしたかがそのまま勝率になる。

PC版はWindowsとmacOSに対応。Steamでの通常価格は3,400円で、サウンドトラックとデジタルアートブックが別途DLCとして売られている(アートブックは580円)。

家庭用は2024年11月26日に一斉に出ていて、Nintendo Switch、PS5、PS4、Xbox Series X|S、Xbox Oneが対象。SwitchのダウンロードソフトはRED CANDLE GAMES名義で3,410円になっている。Xbox版はGame Passにも入った。

この家庭用版に合わせて追加されたのが「Battle Memories」で、いずれかのエンディングに到達したセーブデータがあれば、タイトル画面から過去に倒したボスへ再挑戦できる。装備やスキルはそのまま持ち込める代わりに、ボス側の体力と攻撃力が引き上げられている。

言語対応は項目を分けて見ておきたいところ。日本語はインターフェイスと字幕に対応していて、収録言語は全14言語ある。ただしフル音声の列にチェックが入っている言語は、日本語を含めて1つも無い。ボイスは付いているけれど、日本語音声で遊べるわけではないという点は分けて考えたほうがいい。

4年続いたARGは、今年1月に完結編を迎えた

この作品にはもう一つ、ゲーム本編の外側で走っていた仕掛けがある。Red Candle Gamesは発売のはるか前から現実世界を舞台にしたARG(代替現実ゲーム)を動かしていて、参加者は1万人を超えた。その全体像を振り返るドキュメンタリー映像『Shanhai Chronicles』が今年1月に公開され、4年近く続いた仕掛けはここで幕を下ろしている。音声と字幕は中国語と英語の二か国語構成。

前日譚も出ている。2025年の春に台湾のMOJOINと組んで公開された漫画『Nine Sols - The Way of Lear: Prelude』で、原作はShihwei Yang、作画はYang Chi-Chengが担当。全3話で、蓬莱の歴史を変えることになる二人の太陽人の関係を描いたものになっている。英語・中国語のほかに日本語版も用意されている。

評価のほうは、2025年5月にブラジルで開かれたgamescom latamのBIG FestivalでBest Gameを受賞。パッチも止まっておらず、直近では2025年11月と12月にUnityのエンジンバージョンを上げる更新が入っている。

販売本数の数字は公表されていない。ただ、Steamのレビュー欄には現在4万5000件を超える投稿が積み上がっていて、そのうち94%が好評の側に振れている。

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