『バイオRE:4』未使用ボイス671本が発見される ― 武器商人が『ヴィレッジ』のデュークに言及
「デュークか。あの若造、見込みがあるな」——武器商人がそう漏らす場面は、『バイオハザード RE:4』のどこを探しても出てこない。声は吹き込まれていて、字幕データまで用意されていたのに、製品版では一度も再生されないままディスクの奥に残っていた。
そんな未使用の台詞が、まとめて671本掘り出された。作業したのは、この作品のデータを掘り続けているMod制作者のKeff0。9月に入ってすぐ、本人の動画で内容が公開された。
カットされた台詞は671本、レオンら4人分
Keff0が調べたのは、2023年3月24日に出た当時のPS5版ディスク。そこから音声と字幕がそろった台詞が671本見つかった、というのが本人の説明だよ。しゃべっているのはレオン、ルイス、アシュリー、そして武器商人の4人。
面白いのは、この手の発掘でよくある「仮の棒読み音声」ではないところ。役者が本番と同じ調子で演じ切った、そのまま製品に入っていてもおかしくない完成品が並んでいる。開発の終盤まで生き残っていて、最後の最後で外された台詞群、という見立てが自然だと思う。
もうひとつ引っかかるのが、これらがPC版のデータには見当たらないという点。ディスクという「焼いたら書き換えられない」媒体にだけ、当時の素材が丸ごと残ってしまった格好にゃ。パッチや配信版なら消せたものが、物理ディスクでは消せない——ボツ素材が見つかる経路としては、ありがちなパターンではある。
なお、この件についてカプコンからの説明は出ていない(9月3日時点)。何が切られ、なぜ切られたのかは、あくまで残っていたデータから読み取るしかない状態が続いている。
武器商人が語る『ヴィレッジ』のデューク


671本のうち、いちばん反響が大きかったのが武器商人の台詞だよ。英語音声で「Ah, I see you're no stranger to villages. The Duke? Lad shows promise.」——村には慣れているようだな、デュークか、あの若造は見込みがある、という趣旨のことを言っている。
デュークは『バイオハザード ヴィレッジ』に出てくる商人。巨大な体を馬車のような荷台に沈めたまま、村のあちこちで武器と料理をレオン……ではなくイーサンに売りつけてくる、あの人物だね。
この二人、実は片方向だけ既につながっている。『ヴィレッジ』のデュークは商品を眺めているときに「何か買うかい?」と口にして、これは昔の知り合いの口癖でね、と続ける。RE4の武器商人の決め台詞をそのまま拝借した目配せで、シリーズの遊び心としてよく知られた場面だ。
つまり今回見つかった台詞は、その返事にあたるもの。デュークが「昔の知り合い」と言い、商人が「あの若造は見込みがある」と言う。両方が製品に入っていれば、二人の商人の関係は冗談ではなく設定として成立していたことになる。実際に鳴らないまま外されたので、いまも公式に確定した関係ではない——そこが惜しいところにゃ。
切った理由は語られていないので、想像するしかない。2004年を舞台にした物語へ2021年の作品のキャラクター名を持ち込むことになるから、原作の空気を壊すと判断されたのかもしれないし、単に会話の尺の都合だったのかもしれない。少なくとも、収録が終わるところまでは残す価値があると思われていた台詞ではある。
Keff0の名前は、この夏すでに一度大きく出ている。製品版から丸ごと消えたアシュリー視点のプロローグ「Chapter 0」を、実際に動く章として組み直したChapter 0 Restorationを公開したのが8月末。夜の村を懐中電灯で進み、砦で捕まるまでが第1章の手前にそのままつながる作りだった。
同じ人物が今度は音声側を掘った、という流れになる。カットされた章、カットされた台詞、そしてカットされたモーション——製品版の裏側には、完成していたのに使われなかったものがまだかなりの量で残っているようだね。
デュークの名前が出てくる場面は、これからも製品版では鳴らない。
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