ビジュアルノベル『彼女は知らない』Steamページ公開―1999年の女子高生2人の一日を2色で描く
1999年の夏。まだスマホもSNSも無くて、放課後の時間だけがやたら長かったあの頃を、白と黒の2色だけで切り取ったビジュアルノベルが現れたにゃ。個人開発者のlvl374が、新作『彼女は知らない』のSteamストアページを公開した。舞台は同年7月、幼なじみで恋人同士でもある女子高生2人の、ただの一日をなぞっていく。
主人公は高校2年生のハルカ。もう一人のシホとは幼なじみで、いまは恋人でもある。プレイヤーはこの2人の、大きな事件が起きるわけでもない“とある一日”を追体験していく。
語られるのはバイトのこと、成績のこと、体の変化、卒業したあとの進路、家のこと——そして幸せって何だろう、自分たちは何者なんだろう、といった話まで。ストアの紹介文は、あの頃を「無知が許容されるモラトリアム期間を漫然と過ごしていた」と振り返り、「わたしたちは本質的には何も知らなかった」と締めくくっている。ゆるい日常会話の底に、それくらい重いものが沈んでいる。


見ての通り、絵は白と黒の1bitドット絵。情報量をぎりぎりまで削ったモノクロの画面で、2人のなにげない一日が淡々と映し出される。色数が少ないぶん、表情や“間”の余白に自然と目がいく。
ただ、雰囲気はけっして甘いだけじゃない。ストアページには「軽度ないじめ、暴力、自殺に関する描写、その他不快になる恐れのある描写が含まれています」との注意書きが添えられている。青春のやわらかさと、その裏でひりつくもの。この両方を同じ一日に同居させるところが、“ゆるくて重い”と評される手触りなんだと思う。


作者は『NIDANA』『halfmoon』の個人開発者
作っているのはlvl374。夢の中をひたすら歩き続ける『NIDANA』や、死後の世界へ向かう前の「案内所」で働く短編『halfmoon』を手がけてきた人で、どちらも独特の作風で評価を集めてきた。今回も匂いは健在で、題材こそ女子高生の日常だけど、通底しているのはやっぱり“生と死”や“わからなさ”の手触りにゃ。
対応言語は日本語・英語・簡体字/繁体字中国語。テキストで読み進めるタイプで、ボイスは付かない。配信時期はいまのところ「近日登場」となっていて、具体的な発売日や価格はまだ出ていない。1999年の7月に置いてきた無知を、2人がこのあとどう手放していくのか。手がかりは、公開されたばかりのモノクロの数枚だけだ。
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