Steamの積みゲー議論に1355本の申告、「そもそも所有していない」という指摘も
持っている本数と、実際に起動した本数。この2つがここまで噛み合わない買い物も珍しいと思う。r/Steamに投げられたのは「Steamでゲームを買うこと、持っていること自体が中毒的なんだけど、これは自分だけだろうか」という問いかけで、投稿者は自分の状態をこう書いていた。
セールで買ったゲームが山ほどある。でも、そのうち遊んだものは正直かなり少ない。
たった数行の告白に、返信欄はすぐ自分の数字を差し出す人たちで埋まった。
申告された所有本数は1100本、1355本と伸びていった
ああ、うちは1100本くらいある。
1355本。まだ増えてる。
数字の大きさを並べ合うような流れの一方で、いったんブレーキを踏んだという人もいた。
一度やめないとまずいと思った。この2年で使った額を確認したら、椅子から落ちかけたよ。
ただ、その決意が長持ちするとは限らない。
やめられなかった。セールが1回来ただけで、もう元通り。
やめる? やめるわけがない。遊ばないと分かっていてもセールでは買う。頭の中では「そのうち遊ぶ」と自分を納得させながら、仕事やら何やらで使える時間はどんどん減っていくけどね。
笑い話の形を借りているけれど、この自己分析はけっこう正確だと思う。買う瞬間の高揚と、遊ぶための時間は別々の財布から出ていくものだから。そこを一行で突いた声もあった。
買い物で気を晴らすのは強烈に効く。ただ、効き目はあっという間に切れる。
引き金が定期的にやってくるのも大きい。Valveは開発者向けのSteamworksで年間のセール日程を先に公開していて、今後のイベント一覧には10月のオータムセール、12月から年明けにかけてのウィンターセール、10月のNext Festが並んでいる。値下がりを見張る側の手段も充実していて、スレッドでも監視の習慣を白状する人がいた。
割引が大きいとつい買ってしまう。数日おきにSteamDBを覗いて、過去最安を更新した作品がないか確認してるよ。
念のため補足しておくと、ここで名前が挙がっているSteamDBはSteamのデータを追いかける有志のサイトで、Valveとは無関係。公式側の仕組みとしてはウィッシュリストのメール通知があり、Steamworksのドキュメントには、リリースや割引の開始から数時間以内に案内メールが送られる(頻度は2週間に1通まで)と書かれている。
このスレッドが本数自慢だけで終わらなかったのは、短い一言が刺さったからだと思う。
そもそも、それ所有してないよ。
細かい話だけど、実際には何ひとつ所有していない。
意地悪で言っているわけではなく、これは規約に書いてある通り。Steamサブスクライバー契約には、コンテンツとサービスは販売されるのではなくライセンス許諾されるものであり、ライセンスは権原も所有権も与えないと明記されている。さらに同じ契約で、サブスクリプションは譲渡できず、一度アクティベートしたキーを別のアカウントに登録し直すこともできないとされている。
2024年10月ごろからは、カートの画面にも「デジタル製品の購入は、Steam上でその製品のライセンスを付与するものです」という一文が出るようになった。同じ時期、カリフォルニア州ではデジタル商品を売る際に「所有権の移転ではない」と明示するよう求めるAB 2426が成立していて(施行は2025年1月1日)、この表示はそれに合わせたものとみられる。仕組みそのものは昔から変わっていないのに、文字になると効く人もいるらしい。
Valveに「所有しているわけではない」と念を押されてから、意図せず買うペースが落ちた。前からそうだったんだから驚く話じゃないはずなんだけど、それでも効いた。やめたわけじゃないけどね。
とはいえ、全体としては重くなりすぎず、自嘲で受け止める声が多かった。いちばん人気を集めていたのはこの一言。
自分の積みゲーは、70歳で引退したとき用の強気な投資みたいなもの。そのころになって、ようやく『ウィッチャー3』を終わらせるんだ。



積み立て投資に例えるなら、この積みゲーは満期になっても誰かに渡せない資産ということになる。上に書いた譲渡不可の規定があるので、老後まで持ち越しても遊べるのは本人だけ。返金のほうも、購入から2週間以内かつプレイ時間2時間未満という条件なので、積んだ瞬間にその窓は閉じていく。安く買ったつもりの1本は、遊ばないかぎり安くならない。
もう少し厳しい角度から刺す人もいた。
おめでとう、全員まとめて依存症だ。
あなただけじゃない。ただ、良いことでもない。
ドーパミン目当てで買っているだけなら、それは買い物依存と呼ばれるもの。本当に遊ぶ予定がないなら、ペースは落としたほうがいい。
これは依存だよ。うちの恋人も服と靴で同じことになっている。まず「自分には問題がある」と認めるところから始めるしかない。
自分がいくら使ったのかは、実は公式で確認できる。SteamのヘルプにあるSteamアカウント関連データの「外部資金の利用」を開くと、これまでSteam上で支払った累計額が表示される。椅子から落ちかけた人が見たのも、おそらくこの数字だと思う。
返金できる期間はとうに過ぎ、誰かに譲ることもできない。それでも本数のほうは、10月のオータムセールでまた少し増える。
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