Steamで所有済みのゲームはウィッシュリストに入らない――「ギフト用リスト」の要望がRedditで伸びる
気になるゲームを見つけたら、とりあえずウィッシュリストへ放り込んでおく。値下がりすればメールやモバイルアプリに通知が飛んでくるので、実質「見張り役」として使っている人は多いと思う。ただ、この仕組みには最初から抜け落ちている場面がひとつある。自分がすでに持っているゲームは、そこへ入れられない。購入するとリストからは静かに外れるし、ストアページを開き直しても追加のボタンは戻ってこない。
r/Steam に投げられた一行の要望は、ちょうどその穴を突いたものだった。所有済みのゲームもウィッシュリストに入れたい。理由は買い直したいからではなく、セールになったタイミングで友達に贈りたいから。本文は「以上」の一言だけ。それでもスレッドはその日のトップまで上がった。

最初に伸びたのは、名前の案だった。
ギフトリストとでも呼べばいいんじゃないか
要望の中身をそのまま言い当てた一言で、以降のやり取りもこの線で進んでいく。贈り物として買うつもりのゲームは、たいてい自分もすでに持っている。おすすめしたいからこそ贈るわけで、だから「持っている」と「贈りたい」はむしろ重なりやすい。
自分もそれが欲しい。セールが見えるようになるから、贈るのに一番いいタイミングも分かる
今は、たまたまセール中に見つけられることを祈るしかない。知らせてくれる手段が無いんだ
ここが核心だと思う。値段そのものはストアを開けば分かる。足りていないのは通知のほうで、ウィッシュリストはSteamが唯一そこを引き受けてくれる場所になっている。裏を返すと、ライブラリに入った時点でセールの見張りは自力に戻る。
すでにウィッシュリストを他人のために使っている、という声もあった。
ウィッシュリストのかなりの割合は、自分ではなく誰かが興味を持っているゲーム。ただ、自分が持っていて目を離したくないものもたくさんある
要望への返信は「賛成」ばかりではなく、いま実際に使える逃げ道の紹介も多かった。
購入済みのゲームでも、SteamDBならウォッチできる
自分は isthereanydeal を使ってる
IsThereAnyDeal は複数ストアの価格を横断して追いかけるサイトで、待機リストと通知の設定を持っている。Steamのウィッシュリストと違って所有済みかどうかを問わないので、贈答用の見張りとしては噛み合う。ただしどちらもSteamの外にある道具で、Steamのライブラリやストアの動線とは切り離されている。
Steamの中で完結させる案も出た。ライブラリのコレクション機能を使う手だね。
ライブラリに「贈りたい」みたいな名前のフォルダを作ればいい
これに対する返信が、この手の運用の弱点をきれいに言い当てていた。
自分もそうしてる。存在ごと忘れていることがほとんどだけど、たまに間に合うこともある
結局、フォルダは並べ替えの道具であって、値下がりを教えてはくれない。人力で思い出す必要がある以上、セールの期間内にたどり着けるかは運任せになる。もっと力技の提案もあった。
メールアドレスに +Giftlist を足して別アカウントを作り、そっちのウィッシュリストへ入れればいい
エイリアスで作った空のアカウントを、通知専用の棚として使うという発想。手間と引き換えにSteamの通知そのものは受け取れる、という理屈になる。
7月23日に来たウィッシュリストの自作カテゴリ分け
スレッドの途中には、こんな要望も混じっていた。
ついでに、ウィッシュリストを自分で決めたカテゴリに分類したい
これには別のユーザーが「カテゴリ分けなら最近追加されたよ」と返している。実際そのとおりで、7月23日に公開された公式アナウンスで、ウィッシュリストは自作カテゴリに対応した。ストアページの「ウィッシュリスト登録済み」のドロップダウンからその場で振り分けられて、リスト側ではカテゴリ名をクリックするだけで絞り込める。
面白いのは、Valve自身が挙げた使い道の例に「誰かのために考えているゲーム」が入っていること。スクリーンショットに映っているカテゴリ名も「セールになったら買う」「サマンサの誕生日」といった調子で、贈り物用の棚として使われることを最初から見込んでいるのが分かる。
さらに、通知を特定のカテゴリだけに絞る設定も同時に入った。セール通知・リリース通知・体験版の公開通知を、選んだカテゴリの対象にだけ飛ばせる。
共有まわりも作り直された。リストの共有ボタンから固有のURLを発行でき、そのリンクを知っている相手は、ウィッシュリストが非公開設定でも中身を見られる。リンクはあとから無効化できて、絞り込んだ状態のまま共有することも可能。誕生日用のカテゴリだけを家族に渡す、といった使い方が想定されているにゃ。

つまり「自分のために誰かに買ってもらう」導線と「贈る予定のゲームを整理しておく」導線は、7月の時点でかなり整えられている。それでも、そこへ並べられるのは自分がまだ持っていないゲームだけ。スレッドの発端になった要望は、この更新をもってしても満たされていない。
ギフト購入もアカウント不要になった
ウィッシュリストの更新と対になる形で、ギフト購入の仕組みも同じ日に変わっている。スレッドで交わされていた「贈りたいのに手段が噛み合わない」という話とは、ちょうど地続きの内容だね。


- ゲスト購入がゲーム全般に拡大:2024年に導入された時点ではデジタルギフトカードとハードウェア専用だったが、Steamのどのゲームでも使えるようになった。贈る側にSteamアカウントは要らない
- メールアドレス宛に贈れる:相手のアカウントを知らなくても送れる。受け取られないまま30日が過ぎると自動で返金されるため、先の日付を指定した配送はできない。購入者と受取人が同じ国に住んでいることが条件
- 地域をまたぐギフト:相手の地域の価格に合わせてそのまま決済できる。以前はギフトカードで金額を調整するしかなかった。こちらはフレンド登録が必要
- 共有リンクからの購入:リンク経由で贈る場合はフレンドである必要が無く、カートの受取人欄も自動で埋まる
「贈りたいゲームを追いかけられるようになるなら、確かに理にかなっている」というスレッドの声は、Valveが引いた線とそこまで離れていない。実装されたのは、贈られる側がリストを差し出す方向まで。贈る側が黙って値下がりを待ち構える方向は、まだ手つかずのまま残っている。
Steamの「所有済み」という状態は、表示のうえでも少しずつ扱いが変わってきていて、プロフィールのショーケースからは「所有」という語そのものが消えていた、という話もあった。
ギフト用のカテゴリを作れるようになっても、そこに置けるのは自分がまだ持っていないゲームだけ。スレッドが欲しがっていた棚は、まだどこにも無い。
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