16世紀の呪われた密林に4人で降りる―『Zeno Clash』のACE Team新作『The Mound: Omen of Cthulhu』本日配信
帆船の甲板で船長と契約を交わし、剣とランタンを借りて、まだ地図にない大陸へ降りる。財宝を抱えて戻ってこられれば次の遠征の資金になり、戻れなければ何も残らない。ACE TeamとNACONの協力ホラー『The Mound: Omen of Cthulhu』が、本日7月15日に配信を開始したにゃ。PC(Steam/Epic Games Store)、PS5、Xbox Series X|Sの3プラットフォーム同時で、初日からクロスプレイに対応している。
舞台は16世紀、コンキスタドールの時代の南米。ラヴクラフトの中編『The Mound』に着想を得ていて、密林の奥にあるという伝説の地下都市と、そこに眠る財宝を目指す。プレイヤーは最大4人、ソロでも遊べる。
遠征に出て、生きて船まで帰る




構造は驚くほどはっきりしている。拠点となるガレオン船で装備を選び、ジャングルへ出て、廃墟となった砦を見つけて新しい出発地点を解放し、遺物や手記を回収して帰ってくる。持ち帰った分が船の資金になり、次の遠征の装備につながる——いわゆる抽出型(エクストラクション)のループにゃ。Steamのタグにも「Extraction Shooter」が並んでいる。


面白いのは、その財宝が「強さ」より先に「余裕」に化けるところ。公式の説明では、遠征の準備は船上で船長と契約して装備を確保する形になっていて、成果が乏しければ次に持ち出せるものも細る。稼ぎと生存が同じ天秤に乗っている構造なので、欲を出して奥へ進むか、手堅く引き返すかの判断がそのまま次の遠征に響くわけにゃ。
呪われた敵意に満ちたジャングルでは、あらゆる角に危険が潜んでいる。狂気が迫り来るにつれて、ラヴクラフト的な恐怖が現実を歪めていく。
出典:Steam『The Mound: Omen of Cthulhu』ストアページ
幻覚は、4人それぞれ別のものが見えている
この作品の核は「狂気システム」と呼ばれる仕組みだ。正気度が削れていくと、密林がプレイヤーの知覚をいじり始める。公式が繰り返し強調しているのは、超自然は襲ってくるだけでなく「知覚を歪める」という点で、現実と幻覚の境目が曖昧になっていく。

そこに空間オーディオのボイスチャットが噛み合う。距離と方向が声に乗るので、仲間の位置は耳で分かる——はずなのだが、正気度が落ちた誰かが「そこに何かいる」と叫んだとき、それが本当に見えているのか、その人にだけ見えているのかは分からない。協力ゲームでありながら、疑いが芽生える余地を設計に組み込んでいるのが上手いところにゃ。
デモは45万ダウンロード、遠征回数は100万回
6月15日から22日のSteam Next Festで配信された体験版は、なかなかの数字を残している。NACONの発表によれば、ダウンロード数は45万超、実際にプレイしたのは30万人以上、行われた遠征は延べ100万回を超えた。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 体験版ダウンロード数 | 45万超 |
| 体験版プレイヤー数 | 30万人超 |
| 遠征回数(延べ) | 100万回超 |
出典:NACON公式『The Mound: Omen of Cthulhu』
Next Festは無料デモが数千本並ぶお祭りなので、数字がそのまま売上になるわけではない。ただ「触った人の三分の二が実際に起動して、平均すると1人あたり3回以上潜っている」というのは、一発ネタで終わらなかった証拠くらいには読めるにゃ。
ロック・オブ・エイジズの次に、彼らはクトゥルフを選んだ
開発はチリ・サンティアゴのACE Team。『Zeno Clash』の生々しい肉塊めいた異世界、『Rock of Ages』の石球ゲー、『The Eternal Cylinder』の奇怪な生態系と、毎回まったく違う顔を出してくるスタジオにゃ。共通しているのは「他所で見たことのない造形」への執着で、その手癖はラヴクラフト題材と相性がいい。

原作にあたる『The Mound』は、ラヴクラフトが1929〜30年ごろに他作家の名義で執筆した中編で、地下に広がる古代文明と蛇神イグが登場する。Deluxe Editionに「Temple of Yig」という追加ミッションが用意されているのは、その系譜をなぞったものとみられる。南米を舞台にした宇宙的恐怖を、南米のスタジオが作る——というのも、この企画の座りの良さにゃ。


価格と、動かすのに必要なもの
Standard Editionは海外価格で29.99ドル/29.99ユーロ。日本のXboxストアでは3,520円で、発売時点では10%オフの3,168円になっている。Deluxe Editionは39.99ドル/39.99ユーロ、日本のXboxストアで4,158円。Deluxeには追加ミッション「Temple of Yig」に加え、キャラクター「Fortune Hunters」やコスメティック各種、サウンドトラックが含まれる。日本語は字幕に対応済みにゃ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信日 | 2026年7月15日 |
| 対応機種 | PC(Steam/Epic Games Store)、PS5、Xbox Series X|S |
| 価格 | Standard 3,520円 / Deluxe 4,158円(Xboxストア日本) |
| プレイ人数 | 1〜4人(オンライン協力・クロスプレイ対応) |
| 日本語 | 字幕対応 |
| CERO相当 | 18歳以上(Xboxストア表記) |
出典:Xboxストア『The Mound: Omen of Cthulhu』
PC版の動作環境は、この手のホラーとしては素直な部類にゃ。
| — | 最低 | 推奨 |
|---|---|---|
| OS | Windows 10/11 64bit | Windows 10/11 64bit |
| CPU | Core i7-8700K / Ryzen 5 1600X | Core i7-11700K / Ryzen 5 5500 |
| メモリ | 16GB | 16GB |
| GPU | GTX 1660 SUPER 6GB / RX 5600 XT 6GB / Arc A770 16GB | RTX 3070 8GB / RX 6750 XT 12GB |
| DirectX | 12 | 12 |
| 容量 | 23GB | 23GB |
ホラーの新作は7月に入ってから立て続けで、先日は『The Outlast Trials』の新シーズンも動き出したばかり。協力ホラーを掛け持ちしたい向きは、そちらも合わせてどうぞにゃ。
正気度・空間ボイチャ・抽出型ループという部品自体は、どれも近年の協力ホラーで見てきたものにゃ。それでも本作が引っかかるのは、その組み合わせをACE Teamの造形感覚が担当している点に尽きる。奇形の異世界を20年近く作り続けてきたスタジオが、ラヴクラフトの地下都市をどう見せるのか——3,168円で確かめられる週というのは、なかなか悪くない。
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