アルプスのサイバーパンクRPG『Holonoptic』配信開始 AIに雇われたCEOとして50社を相手取る
氷河の下に、サーバーの熱がこもっている。アルプスの山肌に建った企業城下町が舞台の『Holonoptic』が、Steamで2026年7月16日に配信を開始したにゃ。ジャンル欄には経済シミュレーションとパーティ制RPGが仲良く並んでいて、普通なら喧嘩しそうな二つが同じ皿に乗っている。
椅子には先客がいる
プレイヤーは前任者が消えた会社「GLAZIAL GROUP」のCEOに就任する。そこまではよくある話だけれど、その椅子の主導権は既に別のものが握っている。Geist と名付けられたAIだ。ドイツ語で「幽霊」を意味する名前で、冷たく、辛抱強く、あなたに対してあからさまに侮蔑的。肩書きの上ではこちらが最高経営責任者でも、実務上は「AIが動かす会社の、人間の顔」をやらされる立場になる。


相手をするのは暴走した企業AIだけじゃない。反抗的な労働組合、グローバリスト気取りの貴族連中。敵対するのも、手を組むのも自由にゃ。
経理の顔をした盤面
管理画面を開いている間、これは真っ当な経営シムの顔をしている。サプライチェーンを引き、施設を建てて拡張し、従業員を雇い、そして切る。取引相手として50社以上の企業が用意されていて、それぞれに対する接し方が一本道じゃないのがいい。
- 友好的に取引して共存する
- 価格で殴って切り崩す
- そもそも盗む
- 話し合いで買収する
- 敵対的買収で丸ごと呑む


重役はパーティメンバーである
もう一つの顔がRPGの側にゃ。仲間にできる重役は16人。全員が手描きで起こされていて、多くにボイスが付いている。そして公式が隠しもせずに書いているのは、全員がそれぞれのやり方で裏切ってくるということ。信頼度を管理しながら経営するというより、裏切りの種類を選ばされている感覚に近いのかもしれないにゃ。
キャラクターの組み立てはクラス9種、スキル6種、フィート70以上。クラス名には Office Drone(社畜)、HR Manager(人事)、Corporate Spy(企業スパイ)といった、剣も魔法も出てこない職業が並ぶ。オフィスの肩書きがそのままビルドになっているのは、この世界観だとむしろ自然にゃ。


8つの潮流が、黙って採点している
この作品の芯にあるのが思想のスコアリングだ。プレイヤーの決定は、8つの「思想的潮流」に対して静かに点数を付けられていく。自由市場グローバリズム、共生主義的集団主義、金権政治、地下経済——並べただけで胃が痛くなる面々にゃ。
仕組みはシンプルで、その分だけ容赦がない。ある潮流に寄せれば、そこ専用のミッションとストーリールートが開く。寄せすぎれば、対極にある潮流がこちらに牙を剥く。日和見が許されるのか、それともどこかで旗を立てないと何も進まないのか——この綱引きの結果として、エンディングは10種類以上が用意されている。


手を出す前に確認したい一行
ここは正直に書いておくにゃ。言語対応は英語のみ。インターフェースも、フルオーディオも、字幕も、全部英語だけで、日本語は音声どころか字幕も無い。
しかもこの作品、売りが「ストーリーリッチ」「会話劇」「選択が効く」だ。テキスト量が多く、しかも企業政治と思想の綱引きを読み解く必要がある。UIだけ英語なら勘でも押せるけれど、これは中身が全部言葉にゃ。そこは覚悟のいるところ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信開始 | 2026年7月16日 |
| 価格 | ¥2,295 |
| 割引 | 25%オフの ¥1,721(7月30日まで) |
| 開発・販売 | Glazial |
| 対応OS | Windows 10以降 / macOS 10.10以降(Intel・M1以降)/ Linux(Ubuntu 20.04以降) |
| インターフェース | 英語のみ |
| 音声 | 英語のみ |
| 字幕 | 英語のみ |
Mac と Linux にきちんと対応しているのは、ひとりで作ったタイトルとしてはなかなか律儀にゃ。


6年、ひとりで
開発はスイスの Kevin Bloch 氏。Glazial というスタジオ名を名乗ってはいるものの、実態はソロだ。設計もライティングもコードもイラストも、6年かけて全部ひとりで積み上げてきた、氏にとって初の商用作品にゃ。
16人分の重役を手描きし、70以上のフィートを組み、8つの思想軸で分岐を管理し、10以上の結末まで面倒を見る。ひとりの作業量として聞くと、ちょっと現実味が薄い。ゲーム内の会社名が GLAZIAL GROUP、つまりスタジオ名そのままというのも、6年こもっていた人の悪い冗談みたいで妙に味がある。
1.6.0で締めて、次は感情まわり
発売直前のバージョン1.6.0では、コミュニティから寄せられた不具合の修正に加えて、UI周りに手が入っている。重役の居場所へ飛ぶショートカット、NPUチップに関するヒントの改善、100件を超える誤字修正、クラッシュ対策、取引画面のパフォーマンス改善、そしてゲームメカニクスのチュートリアル追加。地味だけれど、発売前に効く種類の整備にゃ。
そして開発者は、感情システムとリソースシステムへの大きめの変更を発売後の最初のメジャーパッチに回すと明言している。つまり配信開始が上がりではなく、芯の部分をまだ動かすつもりでいるということ。
無料デモは配信開始後も引き続き公開されたままになっている。英語のテキスト量に自分が耐えられるかどうかは、財布を開ける前にそこで測れるにゃ。


アルプスの空気は澄んでいるはずなのに、この会社の廊下はどうにも息苦しい。25%オフが効いているのは7月30日まで、そこが最初の判断ポイントにゃ。
関連記事
『オブリビオン リマスター』Switch 2版が8月11日発売、非力なハードに載ったならPC版の最適化も…?と願う声
スイッチ2という限られた性能のハードへ移植が決まった『オブリビオン リマスター』。その最適化がPC版などにも還元されないか、と期待する声が界隈で広がっているみたい。
散らかった大型スーパーを無心で片付ける『Supermarket Chaos』配信―哲学ロボが散らかした4,668個をひたすら棚へ
整理ロボGPT-9000が「陳列は暴力」と悟って商品を撒き散らしたスーパー。プレイヤーは4,668個の商品をひたすら正しい棚に戻していく、時間制限なしのお片付けシムがSteamで配信中にゃ。
民間機か、それとも核ミサイルか―最大6人協力の“管制室スリラー”『Dynamite Day』が発表
ノイズだらけのレーダー、曖昧な確率しか返さないデータベース、無線に割り込む嘘。核ミサイル防衛バンカーで敵か味方かを見極める協力型シミュレーター『Dynamite Day』がSteamで発表されたにゃ。

コメント (0)
最初のひとことをどうぞ🐈
感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。