キーは4つだけ、あとは反射神経――スコアアタック型ローグライク『KAZ』Steam配信開始
遊び方の説明が3行で終わるゲームなのに、なぜか気づいたら1時間経っている。そういう種類のやつが、また出てきたにゃ。
ソロ開発者Kalinarmが作り、パリのパブリッシャーHAKUROが手がけるアーケード風ローグライク『KAZ』が、2026年7月13日にSteamで配信開始された。グリッドの上をピョンピョン跳ねて敵を捕まえ、罠を避け、ひたすらスコアを積む――やることはそれだけ。それだけなのに、使うキーは4つしかない。
上下左右、以上


『KAZ』の操作は方向キー4つのみ。マウスも要らないし、攻撃ボタンすら無い。敵のいるマスに飛び込めば、それが攻撃になる。
海外メディアが「指3本あれば足りる」と表現していたのが、たぶん一番正確な説明にゃ。手を置いた瞬間に理解できて、上達には何十時間もかかる。ストアページで開発者自身が掲げている「Easy to learn, hard to master」は、この手のゲームでは使い古された文句だけど、キーが4本しかない以上、言い訳の余地もそのぶん減る。


見ての通り、画面はミニマル一直線。ドット絵の記号がグリッドに並ぶだけの、ほとんど図形みたいな画面にゃ。ところがスコアが伸びるほど色と光が暴れ出して、ストアページの言葉を借りるなら「サイケデリック」な領域に入っていく。派手さで殴るタイプではなく、シンプルな画面が加速していく気持ちよさで押してくるタイプ。

音楽が、プレイに反応して鳴る
このゲームの隠れた主役はサウンドにゃ。公式ストアページによれば、収録されているのは10曲以上のインタラクティブなトラック。プレイの様子に音が反応して変化していく仕組みで、ローグライクとリズムゲームの中間みたいな感触を作っている。
キーを叩く → 音が返ってくる → もっと叩きたくなる。この短いループが、たぶんこのゲームが「ドーパミン」を自称している理由の本体にゃ。

タイマーを消した「No Stress」という逃げ道
モードは5つ+α。中心にあるのは制限時間付きの高速モードで、考え込んだ時点で負けが確定する。デイリーチャレンジもあるし、ダンスマット(DDR型のコントローラー)で遊ぶモードまで用意されている。足で遊ぶローグライクにゃ。
そして、反射神経に自信が無い人向けの避難場所として用意されているのが「No Stress」モード。ここでは制限時間の代わりに手数の上限が設けられていて、ゲームが丸ごとパズル寄りの competitive な思考ゲームに化ける。焦らずじっくり最善手を探せる、同じルールの別ゲームというわけにゃ。
どのモードにもグローバルリーダーボードが付いているので、フレンドとのスコア比べも、世界の頂点への挑戦も、好きな方でどうぞ。


中身の量が、価格に対しておかしい
905円のゲームに詰まっているものを、公式ストアページの数字から並べるとこうなる。
| 項目 | 数 |
|---|---|
| クエスト | 145種類以上 |
| アイテム | 110種類以上 |
| テーマ(固有能力付き) | 25種類以上 |
| マイナス効果(malus) | 35種類以上 |
| 開始時に選べる武器 | 6種類 |
| インタラクティブ楽曲 | 10曲以上 |
| Steam実績 | 77個 |
アイテムだけでなく「malus(呪い・デバフ)」が35種類以上あるのが、このゲームの性格をよく表しているにゃ。得をするものだけでなく、損をするものも山ほど引く。それを織り込んでビルドを組む。


アーケード的な瞬発力とローグライクのビルド構築を混ぜる発想そのものは、最近ちょこちょこ見かけるようになってきた。以前紹介した、球をデッキのように組む3Dピンボールも同じ血筋にゃ。
賞品は、KAZ仕様のKeychronキーパッド
配信と同時に、キーボードメーカーのKeychronとのコラボ企画も動いている。KAZ特別仕様のKeychron製キーパッドと、ゲーム内のKeychronテーマ、そしてそのキーパッドが賞品になる大会という組み合わせにゃ。
参加方法はシンプルで、「Survival」と「No Stress」のリーダーボードを登るだけ。大会終了時点の上位3名がそれぞれの部門で受賞し、合計6名にキーパッドが渡る。同一人物が両部門でトップ3に入った場合は1台のみの受賞となり、余った枠は次点の人へ回る仕組み(Steamニュース「KAZ × Keychron Launch Tournament」より)。
開催期間はローンチ割引と同じ7月27日まで。この記事が出ている今日時点では、まだ真っ最中にゃ。
価格と動作環境
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配信日 | 2026年7月13日 |
| 価格 | 905円(15%オフで 769円・7月27日まで) |
| 開発 / 販売 | Kalinarm / HAKURO |
| 日本語 | 対応(インターフェース・字幕)。音声は英語 |
| 対応言語 | 日本語含む12言語 |
動作環境はストアページ記載で、最低がWindows 10(64bit)/2.3GHzのプロセッサ/メモリ16GB/専用グラフィックスカード/ストレージ2GB。推奨は3.5GHzのプロセッサ/メモリ32GB/GeForce GTX 960相当となっている。画面のミニマルさに対してメモリ要求がやけに大きいのが正直ちょっと不思議だけど、これは公式の表記そのままにゃ。
配信初日から評価は好調で、記事執筆時点のSteamユーザーレビューは42件中97%が好評。母数はまだ小さいものの、出だしとしては上々にゃ。
猫の見立て
『KAZ』が面白いのは、「ミニマルなアーケードゲーム」と「やり込むローグライク」を、どちらも妥協せずに1本へ押し込もうとしているところにゃ。普通なら前者は薄くなりがちで、後者は複雑になりがち。それを4キーという極端な縛りで両立させにいっている。
刺さりそうなのは、リプレイ数を数えるのが苦にならない人。1回のランが短くて、失敗の原因が自分の指にしか無いタイプのゲームなので、「あと1回」が延々続く。逆に、じっくり物語を読みたい人や、複雑なシステムを解きほぐすのが好きな人には物足りないはずにゃ。
769円で、リーダーボードの順位という終わりの無い宿題が手に入る。デスクの隅で永遠に起動し続けるゲームを1本探しているなら、候補として悪くない。
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