焼けた出生記録の代わりに“赤ん坊を親へ仕分ける”ディストピアSLG『Ministry of Order』
「書類の不備を弾く仕事」と聞けば、あの名作を思い出す人も多いはず。でも『Ministry of Order』が審査台に載せてくるのは、パスポートでも入国許可証でもない――生まれたばかりの赤ん坊にゃ。
火事で出生記録がまるごと燃えてしまった国。その混乱を「整理」するために役所へ配属されたあなたの仕事は、目の前の新生児を写真の両親のもとへ正しく割り振ること。判子ひとつの取り違えが、家族をまるごと引き裂いてしまう。VoltekPlay が手がける、『Papers, Please』の空気を色濃く受け継いだディストピア・シミュレーションにゃ。
瞳の色、血液型、肌のトーン――手がかりは“体”だけ



記録が無い以上、頼れるのは観察と医療データだけ。両親と子の瞳の色・血液型・肌の色合いを見比べ、遺伝のセオリーに沿って「この子はこの夫婦の子だ」と判断していく。ただし遺伝は必ずしも教科書どおりに表に出るとは限らず、そこに一瞬の迷いが生まれるのが厄介なところ。
正解すれば給料、間違えれば罰金。1日の生活費をやりくりしながら、賄賂や汚職を疑われないように立ち回る必要もある。1日のプレイはほんの数分で終わるのに、その小さな判断の積み重ねが、じわじわと自分の首を絞めたり救ったりしていく設計にゃ。
1920年代の統制国家、机の上で回る陰謀
舞台は厳しい統制下に置かれた1920年代風の国家。淡々と赤ん坊を捌くだけのゲーム……かと思いきや、同僚や監査官との会話が物語を大きく動かしていく。あなたの喋り方ひとつで、誰が味方になり、誰に利用され、誰に密告されるのかが変わっていく。選択はすべて記録され、翌日の“新聞の見出し”にまで跳ね返ってくる仕掛けだにゃ。


体制の中で出世を狙うのか、レジスタンスに手を貸すのか、目立たず息を潜めて生き延びるのか、それとも国から抜け出す道を探すのか。結末は静かな生存から全面的な革命まで大きく枝分かれし、どこへ転ぶかはプレイヤーが規則をどれだけ守り、どれだけ破ったかで決まっていく。


発売はQ4 2026、対応言語に日本語は無い
現時点で公表されているスペックを整理しておくにゃ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発・販売 | VoltekPlay(カザフスタン・アルマトイの夫婦スタジオ) |
| 対応機種 | Windows 10+ / macOS 10.12.6+ / SteamOS・Linux |
| 発売時期 | 2026年 第4四半期(予定) |
| 価格 | 未発表 |
| 対応言語 | 英語・ロシア語・ドイツ語・スペイン語(スペイン/中南米)・フランス語 |
対応言語は6つで、そのすべてがインターフェース・字幕だけでなく音声(フルボイス)まで揃うという、この規模の作品にしてはかなり手厚い構成。ただし――現時点のSteamの表記に日本語は含まれていないにゃ。UI・字幕・音声のいずれも対応外で、発売までに追加される保証も今のところ無い。この手のパズル系は文章量が命なので、そこは正直に押さえておきたいところ。

“Diapers, Please!”という原型と、盗まれた過去
この作品、いきなり完成形として生まれたわけじゃないにゃ。原型は2025年2月のBrackeys Game Jam向けに作られた小さなプロトタイプ『Diapers, Please!』。ところがこれが第三者に丸ごと複製され、別名でApp Storeへ再アップロードされてしまう。盗用版はSNSで拡散して一時はモバイルのチャート上位にまで駆け上がり、無関係の誰かがそれなりの額を稼いでいたとみられる、なんとも後味の悪い出来事だったにゃ。
VoltekPlay は Apple へ権利侵害を申し立ててコピーを削除させ、その騒動をむしろ燃料にして、ジャム作品をフルボリュームの商業作『Ministry of Order』へと育て直した。詳しい経緯は開発元自身が開発日誌で公開しているにゃ。

“書類を仕分ける×ディストピア”という手触りは、以前このサイトで取り上げた作品にも通じるものがある。机の上の手がかりをつなぎ合わせて“誰が誰か”を暴く系が好きなら、こっちも合わせてどうぞ。
公式のリビールトレーラーも公開済み。統制国家のひんやりした空気と、赤ん坊を挟んで進む異様な“審査”の雰囲気は、映像で見るのが手っ取り早いにゃ。
発売は2026年後半を予定していて、それに先立つデモの準備も進んでいる。判子ひとつで家族の運命が変わる机の上――気になった人はSteamのウィッシュリストに入れて、続報を待つのがよさそうにゃ。
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