2026年のPCは「すでに持っている人」が強い ― DRAM高騰でFrameworkは構成を下げ、Steam Machineは18万9980円
数年前に組んだPCが、いつの間にか一番の資産になっていた——2026年のPC事情を一言でまとめると、たぶんこうなる。ゲーム側は元気で、対応タイトルも動作環境の選択肢も増えている。なのに「これから1台用意する」側の見積もりだけが、去年とまるで違う数字を返してくるにゃ。
原因は分かりやすいところにある。メモリだ。
AIデータセンターへ回された分だけ、店頭が薄くなった

市場調査のTrendForceは、2026年第2四半期の一般用途DRAM契約価格が前期比58〜63%上昇するとの見通しを出していた。そして7月3日に公開した第3四半期の見通しでは、一般用途DRAMが前期比13〜18%、NAND Flashが10〜15%の上昇と予測している。上げ幅そのものは落ち着いたものの、四半期をまたぐたびに積み上がっている構図は変わっていない。同社はこの鈍化について、PCやスマートフォンといった消費者向け市場の顧客が「価格を受け入れられる限界に達しつつある」ためだと説明している。要するに、値上げが止まったのではなく、買う側が先に力尽きたという話にゃ。
古い規格まで巻き込まれているのも今回の特徴で、6月22日の発表ではDDR2の契約価格が第2四半期に55〜60%、第3四半期にさらに35〜40%上がると見込まれている。最新世代の争奪戦の余波が、10年以上前の部品にまで届いている。
供給側の顔ぶれも変わった。Micronは2025年12月3日、一般消費者向けブランド「Crucial」からの撤退を発表。AIデータセンター向けの需要急増を受け、より大口で成長の速い顧客への供給と支援を厚くするための「難しい決断」だと説明し、消費者チャネル向けの出荷は会計第2四半期末(2026年2月)までとした。自作PCの棚で当たり前に見かけたブランドが、市場そのものから降りた格好にゃ。
「これ以上は吸収できない」— Frameworkが7月22日に書いたこと
この値動きを最も生々しく実況しているのが、モジュール式ノートPCで知られるFrameworkの公式ブログにゃ。同社はメモリとストレージの価格更新を1本の記事に追記し続けており、直近の更新は2026年7月22日。
そこに書かれていたのは、LPCAMM2メモリの仕入れ価格が「予測していたものをはるかに超え、当社の事業継続を実質的な財務リスクに晒さずには吸収できない」水準まで上がった、という内容だった。同社が見込んでいたのは第2四半期から第3四半期にかけて十数%〜数十%の上昇。実際に提示されたのは、それ以前に確保していた在庫の2倍を超える価格だったという。
対応も異例だった。予約分をまかなう数量自体はあるものの容量の内訳が合わないため、一定バッチ以降の64GB構成は32GBへ、32GB構成は16GBへと、それぞれ元の容量の価格のまま引き下げる形で調整している。値上げではなく容量を下げて凌ぐ、という判断にゃ。
DDR5の推移も同じ記事に残っている。2025年12月に加重平均コストで1GBあたり10ドル、2026年3月には容量に応じて13〜18ドル。値上げの節目には公式アカウントからも告知が出ていて、12月時点で「1年前の3〜5倍」と書かれている。

同社は現在の状況を「部品やブランドごとに跳ねはあるが、メモリとストレージの価格は緩やかに上がり続けている」と表現している。ちなみに顧客への案内として、メモリなしのDIY構成を選んで自分で調達したほうが安く済む場合がある、とまで書いてあるのが正直というか何というか。
16GBが増えている、という妙な数字

こうした空気は、遊んでいる側の統計にも出ている。Valveが公開しているSteamハードウェア&ソフトウェア調査の2026年6月版を見ると、システムメモリ16GBの割合は41.43%で前月から0.48ポイント増加。一方で32GBは37.82%へわずかに減り、64GBも3.95%まで下がっている。
長らく「32GBへの移行が進む」流れだったところに、16GBが押し返している。増設や新調のタイミングで一段安い構成が選ばれている、と読むのが自然にゃ。
GPU側も似た方向を向いていて、集計の首位に立っているのはノートPC向けのGeForce RTX 4060 Laptop GPU。VRAM容量では8GBが最多で、16GBがそれに迫る位置にいる。派手なハイエンドではなく、手が届く帯が厚くなっている。
189,980円のSteam Machine、その中身は16GBと8GB

そこへ出てきたのがValveのSteam Machineにゃ。日本では正規ディストリビューターのKOMODOが6月23日に販売を開始し、価格は512GBモデルが189,980円、2TBモデルが249,980円(いずれも税込)。Steam Controller同梱版はそれぞれ204,980円と264,980円で、海外価格は1,049ドルと1,349ドルとなっている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売(日本) | 2026年6月23日/KOMODO STATION |
| 価格 | 512GB 189,980円/2TB 249,980円(税込) |
| コントローラー同梱 | 204,980円/264,980円(税込) |
| 中身 | AMDセミカスタムのCPU・GPU、SteamOS |
| メモリ | 16GB DDR5+8GB GDDR6 |
| 映像 | FSR利用で最大4K/60fps想定 |
搭載メモリは16GB DDR5とVRAM 8GB。奇しくもSteamの調査で最も多い組み合わせと、ぴったり同じ帯に乗っている。Steam Deckのおよそ6倍という性能を掲げ、テレビにつないで遊べる箱としては魅力的な一方、この価格帯になった背景にメモリ市況があることは、上の数字を並べたあとだと想像がつく。
上がり方は緩んだが、下がってはいない

まとめると、今分かっているのはこのあたりにゃ。
- 一般用途DRAMの契約価格は、上げ幅こそ鈍化したものの2026年第3四半期も上昇見込み(前期比13〜18%)
- NAND Flashも同期間10〜15%上昇見込みで、ストレージも安全圏ではない
- Micronの消費者向け撤退で、一般ユーザーが買える供給元はさらに絞られた
- メーカー側は値上げだけでなく、容量を下げて価格を維持する対応にも踏み込んでいる
いつ元に戻るかについては、確かなことを言える材料が今のところない。増産や新工場の話は出ているが、稼働の時期と店頭価格が結びつくまでには距離がある。
そんな中で、手元のPCがまだ動くというのは、それだけでかなり強い立場にゃ。メモリを1枚足す、SSDを1本増やす——去年なら片手間だった作業が、今年はきちんとした買い物になってしまった。しばらくは、今ある構成でどこまで気持ちよく遊べるかを詰めていく年になりそうにゃ。
関連記事
Steam Machineに早くも“死の赤い線”報告—Xbox 360のRRODを思わせるGPU故障がRedditで話題に
発売間もないValveのSteam Machineで、前面LEDが赤く点滅しGPU故障を示す“Red Line of Death”の報告がRedditに。Xbox 360の悪夢を思い出すユーザーもいるみたい。
「基本無料はSteamに来ない」Epicボスの主張に総ツッコミ―当のHoYoもう出してる
EpicのTim Sweeney氏が「Steamは手数料が高すぎて原神みたいな基本無料の大作を取り逃がしている」と投稿。でも待って、WarframeもゼンレスもSteamで元気に稼いでるよね…という話を整理してみたにゃ。
Steamの登竜門「人気の近日登場」掲載条件が急に厳しく─インディーの生命線に新機能
わずか数千のウィッシュリストで狙えたSteamの露出枠「人気の近日登場」。その基準が一気に跳ね上がったとアナリストが指摘し、小規模インディーの発見性に影を落としている。代わりの生命線として注目が集まる新機能とは。

コメント (0)
最初のひとことをどうぞ🐈
感想でも「わかる」の一言でも大歓迎。あなたのコメントがこのページの一番乗りです。