『Prey』『Titanfall 2』が上位に―期待せず始めて刺さったゲームをRedditで挙げ合う
「たまに、大した期待もせずに始めたゲームが、想像よりずっと面白いことがある。事前にほとんど何も知らなかった作品だったりもする。そういう一本は何だった?」——r/Steam に投げられたのは、これだけの問いかけ。
返ってきた名前が面白い。最新作でも話題作でもなく、発売から5年、9年と経った作品が上位に並んだ。しかも、挙げた人たちが語るのは点数やグラフィックの話ではなく、「なぜ自分がこれを避けていたのか」という部分だった。
『Prey』擁護論、Arkane閉鎖への未練を呼ぶ
最初に伸びたのが、たった数語のコメントだった。
Arkane Studiosの『Prey』。
これに賛同が集まる。
自分にとってはオールタイム10本、いや5本に近い。あれだけ過小評価されていたことを考えると異常だと思う。まあ、イマーシブシムが本当に好きなだけかもしれないけど。
実質『System Shock 3』だと思ってる。『BioShock』も良い精神的続編だったけど、自分の目にはこっちがイマーシブシムの上位5本。
2017年5月4日に配信された宇宙ステーションもののFPSで、プレイヤーは月周回軌道上の研究施設 Talos I で目を覚ます。Steamでは54,408件のレビューのうち49,411件が好評、率にして約91%の「非常に好評」だね(Steamストアページ)。日本語はUI・字幕だけでなく音声も対応していて、この規模の海外製FPSとしてはかなり手厚い部類に入る。価格は3,300円。



もっとも、称賛一色というわけでもない。
ただ、あの場所はとんでもない迷路だけどな。
ここは擁護しづらいところ。Talos I は区画同士が通気口や外殻経由でつながった一続きの構造で、目的地に着く前に自分がどこにいるか分からなくなる。人を選ぶ作りではある。
そして、賛辞が積み上がった流れの途中に、こんな一行が挟まった。
Arkane Austinを畳んだMicrosoftのことは、いまだに許してない。
『Prey』を作ったArkane Austinは2024年5月に閉鎖されていて、この作品はスタジオの最後の代表作という扱いになった。称賛のスレッドに未練が混ざるのはそのせいだね。
一方で、「持ってはいる」側の声も出てくる。
うわ。買ったのに一度も起動してない。遊ぶ順番がずっと回ってこなかっただけなんだ。そろそろ手を付けないとな。
積んだまま忘れられていた、というやつ。Steamのライブラリに「未プレイ」のコレクションを作って自分の積み本数を数え合う流れも同じ場所で盛り上がっていたし、この手の告白はもはや定番になっている。
盛り上がり方そのものを冷静に見ている人もいた。
最近これが愛されてるのを見るのは嬉しい。……まあ、アルゴリズムが自分の聞きたいことを流してきてるだけかもしれないけど。
次に票を集めたのが工場建設もの。挙げた人の入り方が極端だった。
『Satisfactory』。ゲームも知らなかったし、ジャンルも知らなかった。兄が「1.0が出たばかりだ」と言うから触った。気づいたら2000時間超えで、まだクリアしてない。
同じだ。あのジャンル、まったく自分の守備範囲じゃなかったのに。
2019年から早期アクセスを続けてきたタイトルで、1.0の配信は2024年9月10日。Steamのレビューは277,786件中270,178件が好評で、率は約97%の「圧倒的に好評」に達している。日本語はインターフェイスと字幕に対応、音声は英語のみ。価格は4,500円だね。

入口が「自分の意思ではなかった」という証言はもう一つあった。
これも真っ先に浮かんだ。当時の友人に言われて思い出したんだけど、Humble Bundleのウクライナ支援バンドルで手に入れたやつだった。誘われて遊んだら、そのまま穴に落ちていった。早期アクセスの頃からずっと続けてる。
バンドルの詰め合わせに紛れていた一本、兄が勧めた一本。自分で選んでいないからこそ期待値がゼロで、そのぶん落差が大きい——このスレッドで挙がった作品には、だいたいこの構図がある。
『Titanfall 2』。FPSはあまりやらないんだけど、大幅割引で買った。それがまあ、とんでもないキャンペーンだった。
FPSのキャンペーンでは最高の部類だと思う。
原作の発売は2016年10月28日、Steamへの登場は2020年6月18日と後追いだった。レビューは284,979件中272,542件が好評で約96%。ただしSteam版の対応言語に日本語は含まれていない(Steamストアページ)。価格は3,000円。
面白かったのが、対戦から入った人の告白。
オンラインしかやってなかった身としては、キャンペーンなんて中身のないおまけに見えていた。結果、自分が味わった中で最高の体験の一つになった。信じてほしい。
対戦målのために買って、消化試合のつもりで始めたシングルが本命だった、という順序。期待の低さが仕込まれる場所は、ジャンルへの苦手意識だけとは限らないみたいだね。
「7点ゲー」評、『Days Gone』の妥当な着地点



最後にもう一つ。名前だけの短いコメントに、味のある返しが付いていた。
『Days Gone』。
たぶん、自分の一番好きな「7点のゲーム」。
その言い方、好きになった。この作品にぴったりだと思う。欠点があることを分かったうえで、うまくやれている部分をちゃんと評価する、というやつ。
満点扱いにはしない。かといって切り捨てもしない。この距離の取り方は、Steamで「賛否両論」に沈んだ作品を擁護するときの言い分ともよく似ている。
PC版は2021年5月17日配信で、日本語に対応、価格は4,290円。Steamのレビューは116,394件中107,930件が好評(約93%)と、実のところ数字は悪くない。2025年4月25日にはPC向けのBroken Road DLCが配信され、ホードアサルト・パーマデス・スピードランといったモードが追加されている(PlayStation.Blog)。発売当時の評判を引きずったまま触っていない人が、いま入り直すには悪くない状態になっている。
並んだ4本に共通しているのは、どれも配信から5年以上経ち、レビュー数が5万件を超えている点。話題の中心にいた時期はとうに過ぎている。それでも「期待していなかった」という枕詞が付くのは、当時の評判や自分の食わず嫌いが、そのまま何年も更新されずに残っていたからだね。積みっぱなしのライブラリは、その未更新の在庫そのものでもある。
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