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Steamが9月12日で23周年 ― r/Steamの祝福と、公式年表に残る「最初の1本」論争

投稿: 2026/09/14by tobariware6分で読めます
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r/Steamのトップに「Happy Birthday to Steam!」と題した動画の投稿が上がっていた。Steamは9月12日で23年。2003年のこの日に始まったサービスが、24年目に入ったことになる。

23周年に合わせた記念セールや特設ページは、いまのところ見当たらない。ただ、20周年のときにValveが作った「Steam 20周年記念」ページは今も開けて、Valve自身が書いた年ごとの振り返りがそのまま残っている。読み直すと、Steamが「ゲームストア」としてではなく、まったく別の目的で始まったことがはっきり書いてある。

2003年9月12日、Steamはアップデートを配る道具として始まった

Valveはこう書いている。「2003年9月12日にリリースされました」「前年の2002年にGame Developers Conferenceで初めてSteamを発表し、リリース時には主にValveのゲームアップデートを配信しやすくするためにSteamを使用しました」。そのうえで、最終的な目標は「すべてのゲーム開発者がプレイヤーにリーチし、直接オーディエンスを構築する方法を提供すること」だったとも添えてある。

つまり最初のSteamに買うものは無かった。当時のValveのゲーム——『Half-Life』と『Counter-Strike』——にパッチを届けるための常駐ソフトで、遊ぶ側から見れば、入れないと最新のサーバーに繋がらなくなるおまけの何か、という位置づけだったにゃ。今のライブラリ画面からは想像しづらい始まり方だと思う。

ストアらしい形が付いてくるのはもう少しあと。Valveの年表では、2004年3月の『Counter-Strike: Condition Zero』が「Steamで初めてのゲーム」として挙がっていて、同じ年の11月16日に『Half-Life 2』が続く。この2本目が、Steamの評判を決定的にした。

『Half-Life 2』は店頭で箱を買ってきても、Steamのアカウントを作って認証を通さないと起動しない作りだった。ひとりで遊ぶだけの人にも回線が必要で、当時は「ゲームに付いてくる邪魔なDRM」という受け取られ方が強かった。数年後に自分の買ったものがまだ動くのか、という不安も繰り返し語られていた。今Steamを愛用している層の中にも、最初の入り口はこの認証画面だった人がかなりいるはず。

最初のサードパーティー製ゲームがどれかは、Valve自身も決めかねている

20周年ページでいちばん面白いのは、2004年と2005年の記述が食い違っているところ。2004年の欄では、5月に配信された『Codename: Gordon』を「(厳密には)Steamで初めてのサードパーティーゲーム」として紹介し、今はカタログに載っていないと断っている。ところが2005年の欄では、9月26日の『Day of Defeat: Source』の数週間後に出た『Rag Doll Kung Fu』が「Steamで配信された最初のサードパーティーゲーム」だと書いてある。

しかもValveはその矛盾を自分で拾って、こう続けている。

読者の中には「この愚か者どもはさっき2004年の『Codename: Gordon』が最初だと言ったじゃないか」とぼやいている人がいるかもしれません。おっしゃるとおり、私たちは愚か者です。

『Codename: Gordon』はリリース後すぐに姿を消してしまったため社内で議論があった、両方書いておくので判断は読者にお任せする——というのがValveの結論。20年分の歴史をまとめておいて、いちばん最初の1本を決めきらずに投げたわけだね。

その片方、『Rag Doll Kung Fu』は今もSteamで売られている。Lionheadの面々が業務外で作った物理ベースの格闘アクションで、ストアの紹介文は「A piece of Steam history」から始まり、Valve以外で初めてSteamに並んだゲームだと大文字で主張している。価格は100円、対応はWindowsのみ。

年表を先へ追っていくと、今の使い勝手がどれだけ少しずつ足されたものかが見えてくる。全品10〜50%オフの大型ホリデーセールが初めて開かれたのは2007年12月。macOS対応とLinux向けのSteam Play、そしてSteamウォレットが2010年。スクリーンショット機能、Steamガード、ワークショップが2011年。トレーディングカード、ファミリーシェアリング、プレイヤーレビュー、そして開発者が早期アクセスで出せる仕組みが揃うのが2013年。

さらにWindowsゲームをLinuxで動かす互換レイヤーのProtonが2018年、それを土台にした携帯機のSteam Deckが2022年。ストア、コミュニティ、セール、携帯機と広がっていった全部が、パッチ配信ソフトから枝分かれしていった格好になる。

祝いの投稿に集まったのは、長い思い出話よりも短い一言のほうが多かった。

Steamが一番。🎉🎂🎉

ケーキの絵文字が並ぶだけのコメントが伸びる、という祝われ方をしている。反発から始まったソフトが、23年経って誕生日を祝われる側に回ったことのほうが、この一行よりよほど雄弁かもしれない。

23年前の9月12日にValveが配ろうとしていたのは、ゲームではなくパッチだった。

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