『Guild Wars 3』は勢いを持ち越すMMO ― 壁を走り滑空し、速さが攻撃に乗る
崖のふちまで走って、そのまま飛び降りる。落ちながら滑空に切り替えて、着地したら岩肌を駆け上がる。この一連のあいだ、キャラクターは一度も立ち止まらない。ArenaNetが新作MMORPG『Guild Wars 3』の真ん中に据えているのは、その「止まらなさ」なんだ。
シリーズの新作は6月のSummer Game Festで発表された。PCとPlayStation 5に向けて開発中で、家庭用ゲーム機に出るのはシリーズ初。最初のベータテストは2027年秋を予定していて、価格や発売日はまだ出ていない。
公式サイトとSteamのストアページで、ArenaNetはこの作品の移動を「他に類を見ない移動システム」と呼んでいる。要点はひとつで、移動手段を切り替えても勢い(momentum)がそのまま引き継がれること。走る、滑る、跳ぶ、跳ね回る、滑空する、乗る、壁を走る——これらが別々のボタンとして並んでいるのではなく、ひと続きの動作として組まれている、という説明になっている(Guild Wars 3 公式サイト)。
言われてみると、MMOの移動はずっと「モードの切り替え」だった。走行から騎乗へ、騎乗から滑空へ移るたびに、いったん動きが止まって、速度がゼロから積み直しになる。地形も、峡谷のように左右を塞がれた道を順に進んでいく作りが多い。ここを壊そうとしているのが今回の設計というわけだね。
移動の相棒になるのが「Seeker」。単なる乗り物ではなく、オアの魔法とプレイヤーをつなぐVaelの精霊という位置づけで、騎乗もこの精霊を介して行われる。乗り物の召喚アニメを待ってから走り出す、という手順そのものを設計から外しにかかっている。


移動の話が移動だけで終わらないのが今回の肝にゃ。ArenaNetは戦闘についても、深さはスキルの選び方・位置取り・移動から生まれると説明していて、発表時の資料では勢いと速さが報われる戦闘だとはっきり書かれている。速く動けているかどうかが、そのまま攻撃の手応えに跳ね返ってくる作り。
土台にあるのは「アクションRPGの戦闘とGuild Warsのビルド作りが出会う」という言い方。歴代のGuild Warsは、限られた枠に何を入れるかを考えるスキル構築が看板だった。そこを捨てずに、操作の側だけアクションゲーム寄りへ振る、というのが今回の狙いになる。
操作系はコントローラーとキーボード+マウスの両方で成立するように設計されている。PS5版が用意される以上、パッドが後付けの妥協にならないことは前提条件。実際、Steamのストアページでも DualSense のコントローラーサポートが記載されている。



月額課金もpay-to-winもなし、ArenaNetが掲げた4本の柱

システムの話と並んで、ArenaNetは運営の方針も先に公開している。6月半ばに出た「Our Guild Wars Philosophy」で掲げられているのは4本の柱。
- 月額課金を取らない。買ったら自分のペースで遊べる形にする。バトルパスの定期課金のような「名前を変えた月額」も置かない、とわざわざ断っている
- pay-to-winにしない。お金が向かう先は見た目と利便性で、お金を使う人が時間を使う人より強くなる構図は作らない
- プレイヤーの時間を尊重する。毎日遊ぶ人にも、たまにしか触れない人にも、長い休止から戻ってきた人にも、遊んだ時間が意味を持つようにする。『Guild Wars 2』での積み重ねはHall of Monumentsを通じて引き継げる
- 続編を積み上げるのではなく作り直す。「いま、MMOの次の進化はどんな形か」を出発点にする
規模感についても踏み込んでいて、こぢんまりとした初代と、大規模な『Guild Wars 2』の、ちょうど中間あたりを狙うと書かれている。シリーズはこれまで月額課金を取らずに2005年から2600万人規模を超えるプレイヤーを集めてきた——正確には累計2900万人以上——ので、この方針自体は看板を守る形でもある。
初代から1000年さかのぼるオア、落ち目のギルドで始まる

物語の舞台は、初代『ギルドウォーズ』から1000年以上さかのぼったオア。プレイヤーが身を置くのはVaelwardensで、オアに最も古くから存在するギルド「Order of the Vael」を前身に持つ。人間の神メランドゥとドゥワイナから、魔法を固定した宝石「シグネット」を作る力を授かった集団という設定になっている。
ただし物語の開始時点で、この組織は落ち目。古いVaelの精霊は死に、人数も減り、周囲からは進歩を妨げる時代遅れの狂信者と見られている。物語チームの言葉を借りると、プレイヤーは「選ばれし者」ではなく「世の中から見限られた組織の、最後の生き残り」の側に立つ(The Vaelwardens of the Orrian Golden Age)。
プレイアブル種族は、8月に順を追って公開された記事で人間・コーダン・アスラの3つが判明している。4つ目については、年内に明かすとだけ書かれている状態(Playable Species Spotlight: Asura)。
Steamのストアページに載っている対応言語は次の6つ。日本語は現時点で記載が無い。
| 言語 | 音声 | UI・字幕 |
|---|---|---|
| 英語 | ○ | ○ |
| フランス語 | ○ | ○ |
| ドイツ語 | ○ | ○ |
| スペイン語(スペイン) | ○ | ○ |
| 韓国語 | ○ | ○ |
| 簡体字中国語 | × | ○ |
同じ新作MMORPGでも、10月5日に正式サービスを迎える『AION2』が日本語フルボイスで日本にも同時参入するのとは対照的な構えだね。ベータまでまだ1年あるので、言語の欄が増えるかどうかはこれから次第。
Windows版の最小要件はWindows 10 64bit、Core i5-8400またはRyzen 5 2600、メモリ16GB、RTX 2060/Radeon RX 5700/Intel Arc A580、ストレージ65GB。アルファ段階の作品としては、要求はおとなしいほうに見える。
4つ目の種族が明かされるのは、残り4か月を切った今年のどこか。
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