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手描きのネズミ探偵が3か月弱で100万人 ―『MOUSE:やとわれの探偵』が積み上げたもの

投稿: 2026/07/15by 編集部9分で読めます
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ざらついたフィルムグレイン、ぐにゃりと波打つ輪郭線、そして景気のいいジャズ。1930年代のカートゥーンをまるごと銃撃戦に放り込んだような一本が、静かに大台へ届いたにゃ。

開発のFumi Gamesとパブリッシャーの PlaySide は、一人称シューター『MOUSE:やとわれの探偵』の総プレイヤー数が100万人を超えたことを7月13日に明かした。数えている範囲はSteam(PC)、PlayStation 5、Xbox Series X/S、Nintendo Switch 2の4つ。デジタル版の配信開始が2026年4月16日だったので、3か月に満たないうちの到達ということになる。

公式アカウントの言葉は、飾り気がなくて短い。

A handcrafted tale born of ink, sweat, and stubborn dreams. From the bottom of our grinning hearts, thank you so much for all of your support.

(インクと汗と、しつこい夢から生まれた手作りの物語。にやけた心の底から、応援に感謝します)

出典:MOUSE: P.I. For Hire 公式X

「手作り(handcrafted)」という単語をわざわざ選んでいるあたりが、このゲームらしい。作中のアニメーションは当時と同じ考え方で手描きされていて、線の揺れもフィルムのノイズも、後乗せのフィルタではなく作品の骨格そのものになっている。

出典:MOUSE:やとわれの探偵 公式Steamストアページ

PCと家庭用が、ほぼ半々

今回の発表で目を引いたのは内訳のほうにゃ。100万のうち、PC(Steam)と家庭用機がおよそ半々で分かれているとされている。ビジュアルの尖り方からするとPC寄りに偏っていそうなものだけれど、実際には据置機側でも同じだけ遊ばれている計算になる。Switch 2やPS5のパッケージ売り場に並んだ効果も、そこそこ効いていそうにゃ。

「総プレイヤー数」という数え方は、売上本数そのものとは少し違う指標。この手の節目の出し方については、以前取り上げた『パルワールド』の記事でも触れているにゃ。

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出典:Xbox Wire Japan

ジャック・ペッパーの声はトロイ・ベイカー

舞台は架空の街マウスバーグ。プレイヤーが操るのは私立探偵ジャック・ペッパーで、その声を当てているのはトロイ・ベイカー。汚職まみれの警官と武装したギャングがうろつく街で、横領と殺人が絡んだ事件の尻尾を掴んでいく――絵はコミカルなのに、話はきっちりハードボイルドという落差が、この作品の一番おいしいところにゃ。

Fumi Gamesは開発中、革新的な仕組みを狙うのではなく「手堅いシステム」を選んだと語っている。敵は往年の『DOOM』へのオマージュとして2Dスプライトで描かれ、その代わりに武器ごとで変化するやられ演出に手数を割いた、という設計思想にゃ。見た目の異物感を主役にするため、遊びの土台はあえて枯れた作りにした、というわけ。

評価の現在地

数字の並びで見ると、こんな具合。

項目内容
配信開始2026年4月16日(ダウンロード版)
対応機種PC(Steam)/ PS5 / Xbox Series X/S / Switch 2
Steam価格3,400円
Steamレビュー「非常に好評」94%(13,251件)
PS Storeユーザー評価4.79 / 5(7,334件)
日本語対応あり(字幕・UI)

Steamのレビュー数が1万3千件を超えて、なお94%を保っているのは相当に立派にゃ。発売直後の御祝儀相場が抜けた後もこの水準というのは、絵の物珍しさだけで持っている作品ではない証拠だと思う。

取り逃した収集品を、拾い直せるようになった

節目の直前、Fumi Gamesは大きめのアップデートを配っている。Steam / PS5 / Xbox 向けが v1.2.1、Switch 2 向けが v1.2.0 にゃ。

目玉は、要望が特に多かったという「Level Revisit」。クリア済みのステージへ戻れるようになり、初回で見落とした収集品やサブクエストを回収できる。一本道のキャンペーンで取りこぼしに気づいたときの、あの「もう手が届かない」感が解消されたわけで、これは地味に大きい。

そのほか、Switch 2版には40FPSで動く「Balanced」グラフィックモードと可変リフレッシュレートの上限解放が追加され、Steam版にはウルトラワイド対応が入った。武器ホイールの改善やキー再割り当ての強化も同梱されているにゃ。

出典:MOUSE: P.I. For Hire 公式サイト アップデート情報

国内のパッケージ版は7月9日、4,950円

100万人到達とほぼ同じタイミングで、物理パッケージも店頭に並んだ。ワールドワイドでは7月10日にスタンダード版と豪華版「Mouseburg Edition」が発売。日本国内はU&Iエンターテイメントジャパンが取り扱い、7月9日にPlayStation 5(ディスク)とNintendo Switch 2(ゲームカード)版が4,950円(税込)で登場している。国内のパッケージはスタンダード版のみで、サウンドトラックやコミックが付くデジタルデラックス版はSteam限定という住み分けにゃ。

年内最後の四半期に、初のストーリーDLC

先の話としては、ジャック・ペッパーの新たな事件を描く初のストーリーDLCがSteamにページを構えている。表示されている時期は2026年第4四半期。現時点では単体購入はできず(ページ上も「まだ利用できません」の状態)、デジタルデラックス版に含まれる形が案内されているにゃ。具体的な内容や正式な配信日はまだ出ていないので、ここは続報待ちになる。

出典:MOUSE: P.I. For Hire Story DLC(Steam)

見た目のインパクトで話題をさらう作品は毎年いくつも出てくるけれど、そのうちレビュー1万件超えの水準を保ったまま100万人まで走り切れるものは、そう多くない。手描きという一番コストの重い部分を軸に据えて、遊びの土台は枯れた作りで固める――その割り切りが、3か月弱という速さの正体なんだと思うにゃ。白黒の画面と『DOOM』的な手触りに心当たりがある人は、Level Revisitが入った今が始めどきにゃ。

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