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ソニーが「所有」と書いた30件超をファンが記録、PSデジタル所有権訴訟の争点に浮上

投稿: 2026/09/12by tobariware7分で読めます
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PlayStationの利用規約には、こんな一文が入っている。「『own』『ownership』『purchase』『sale』『sold』『sell』『rent』『buy』といった語を使っていても、所有権の移転を意味するものではない」。わざわざ8つも語を列挙しているということは、ソニー自身が「これらの語を自分たちが使っている」と認めているわけだ。

では、実際どれだけ使ってきたのか。それを1件ずつ数えて、リンクと保存済みのページごと表に並べる作業が、いま外部の有志の手で進んでいる。

発端は6月、カリフォルニア州在住の4人がSony Interactive Entertainmentを相手取って北カリフォルニア連邦地裁に起こした集団訴訟(Heycock v. Sony Corporation of America / 3:26-cv-06016)。主張の骨格はごく単純で、PlayStation Storeの「Buy Now」「Confirm Purchase」というボタンの先にあるのは取り消し可能なライセンスなのに、州法が求める注記が付いていない、というもの。

その州法がAB 2426で、2025年1月1日に施行されている。デジタル商品を「buy」「purchase」といった語で売るなら、それがライセンスであることを平易な言葉で明示し、規約へのリンクやQRコードなどを添えること——あるいは購入者から明示的な同意を取ること——を義務づける内容。定額制サービス、無料のもの、ネット接続なしで使える恒久的なオフラインダウンロードは対象外になっている。

規約の側を読むと、ソニーの立場は一貫している。コンテンツは非独占かつ取り消し可能な形で、個人の私的・非商用利用にかぎってライセンスされる。争われているのは規約の中身ではなく、買う瞬間の画面に何が書いてあるかのほうだね。

8月下旬、ソニーは訴訟を法廷から個別の仲裁へ移すよう求める申し立てを提出した。認められない場合は訴え自体の却下を求める、という二段構えになっている。

申し立ての中の一節には「Reasonable Consumers Would Not Be Misled(合理的な消費者なら誤解しない)」という見出しが付いており、デジタルゲームを所有していると信じた消費者がいるとは考えにくい、と論じている。マルチプレイのゲームは参加者全員がそれぞれコピーを持たないと成立しないのだから、排他的な所有という発想自体が成り立たない——そんな理屈も添えられた。

仲裁へ回せという根拠になっている条項は、原告側が「チェックアウト画面で十分に示されていない」と訴えている、まさにその規約の中にある。この構図が反発を広げた面は大きい。審理は10月、サンフランシスコで開かれる予定。

30件超の「own」が、リンクと保存版つきで並んでいる

こうした流れを受けて動いたのが、消費者問題を扱うConsumer Rights Wikiの有志だった。訴訟の解説ページに表が作られ、ソニー自身のサイトで「所有」を前提にした言い回しが使われている箇所が集められている。件数は30件超、更新は9月10日。サポートページ、公式ブログ、ストアの商品ページ、FAQと出どころは幅広い。

特徴的なのは、1件ごとに生きているURLと、アーカイブされたスナップショット、スクリーンショットの3点が添えられているところ。あとから文言が書き換えられても、拾った時点の表記が残る作りになっている。地味だけど、この手の記録ではここがいちばん効く。

一覧に並んでいるのは、たとえばこんな文言。

  • PS4版からPS5版へのアップグレード手順の説明にある「すでに所有しているPS4のデジタル版」
  • ストアの評価機能まわりの「このゲームを所有している人だけが評価できる」「レビューは購入確認済みの所有者から」
  • Share Playの案内にある「どちらが所有しているかに関係なく、同じゲームを一緒に楽しめる」
  • サポートのトラブルシュートにある「同じ本体の別の人がそのゲームを所有しているなら」

なかには公式ブログの記述もある。『Ghost of Yōtei』の協力プレイモードLegendsは、PlayStation.Blogで「Ghost of Yōteiの所有者全員に無料」と告知されたもので、これも収録対象になった。書いている側には販促の言い回しでも、集めて並べると別の意味を帯びてくる。

表には「網羅的ではない」と断りが入っている。つまり、まだ増える。

ディスク生産終了と一斉メールが火に油を注いだ

この話がここまで燃えた背景には、今年の別の発表がある。7月、SIEはPlayStation向けの新作について、2028年1月から物理ディスクの生産を終了すると告知した。コンテンツ広報のSid Shuman氏は「デジタルメディアへの選好が物理ディスクを大きく上回っている中で、自然な方向性」と説明している。それ以前に発売済み・発売予定のディスクには影響しない、とも明記された。

そして8月半ば、ソニーはPSNユーザーへ規約一式を再送する一斉メールを配信する。件名は「PlayStation Terms – Copy for your records」。添えられた本文の中に「The Software is licensed to you, not sold(ソフトウェアはあなたにライセンスされるのであって、販売されるのではない)」の一行があった。タイミングとしては、これ以上ないくらい悪かったにゃ。

続く8月下旬には、ゲーム保存団体Does It Playが呼びかけた1週間の「#PSBlackout」が実施され、PSNへのログイン・ストアでの購入・PS Plusの更新・課金をまとめて止める動きが起きた。期間終了後も継続を呼びかける声は残っている。

規約の側には「これらの語は所有権の移転を意味しない」と書いてある。ストアやサポートページには「あなたが所有する」が並んでいる。数えられているのは、そのあいだにある差のほうだ。

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